東洋紡STC「ナノバリアー」/工業洗濯対応タイプを開発/洗濯50回後も性能発揮

2020年10月20日 (火曜日)

 東洋紡STCはこのほど抗ウイルス素材「ナノバリアー」で、工業洗濯耐性を持たせた新製品(写真)を開発した。2022年度で30万メートル、25年度で100万メートルの販売をそれぞれ計画する。

 ナノバリアーは2015年に開発した抗ウイルス素材。独自の加工剤を繊維に含侵させることで繊維上の特定のウイルスを減少させる。

 繊維評価技術協議会からSEK抗ウイルス加工マーク、SEK制菌加工マークの認証を取得するなど抗ウイルス性と抗菌性を両立したことが評価され、ビジネスシャツなどに採用されてきた。

 ユーザーからの強い要望に沿って、このほど家庭洗濯よりも条件の厳しい工業洗濯への耐久性を付与したナノバリアーを開発した。

 加工剤を繊維により強く固定する新しい技術により、工業洗濯を50回繰り返しても繊維に付着したエンベロープ型ウイルスを99・9%以上減少させる効果が持続することを確認している。

 白衣などの医療施設用ユニフォームやワーキングウエア、スクールシャツなどの衣料用途、寝具の側地やカバー、マスクなどの生活資材用途に売り込んでいく。