クラボウ/抗ウイルス防護ガウン開発/洗濯可能で米国基準もクリア

2020年10月20日 (火曜日)

 クラボウはこのほど、抗菌・抗ウイルス機能繊維加工「クレンゼ」を活用した医療・介護従事者向け防護ガウン「クレンゼ防護ガウン」を開発した。洗濯して繰り返し使用可能。28日から同社本社(大阪市中央区)で開催するユニフォーム素材展示会で披露し、11月2日から販売を始める。

 新型コロナウイルス禍で医療機関や介護施設の医療従事者は感染予防のため防護ガウンを着用し、処理ごとに着替えるなど感染予防対策を徹底している。しかし、一般的な防護ガウンは使い捨てが多く、必要量の確保や医療廃棄物の大量発生といった問題が発生している。

 一般的な防護ガウンは、感染リスクの高い医療現場での使用を前提としていることから体液などの侵入を防ぐ高い防水性を確保するためにポリエステル製が主流。このため着用時の蒸れ感や静電気発生などで着用感が悪い。

 こうした問題に対してクラボウは、疾病・怪我などの診療や介護など比較的感染リスクが高くない現場向けに洗濯して繰り返し使用可能な防護ガウンとしてクレンゼ防護ガウンを開発した。生地にクレンゼによる抗ウイルス加工を施し、家庭洗濯50回後も機能を維持する。制電糸を配したポリエステル綿混織物を使用しているため静電気の発生や蒸れ感も軽減する。

 防護ガウンに求められる体液防御性(防水性)も米国医療機器振興協会が定める基準AAMIレベル1をクリアした。これは血液など体液への暴露がほとんどない短時間の処置用の基準となる。このため感染リスクの低い一般的な疾病や怪我の治療現場や介護施設に向けて提案する。これにより防護ガウンの不足や使用済みガウンの大量廃棄問題の解決にも貢献することを目指す。