担当者に聞く ユニフォーム最前線(6)/ユニチカトレーディング/ユニフォーム営業部 部長 新居 康司 氏/顧客に選ばれる存在へ

2020年10月22日 (木曜日)

  ――ユニフォーム市場を取り巻く環境は。

 2019年の前半までは比較的堅調だったのですが、後半から暖冬などの影響で在庫調整が行われ、別注、備蓄ともに失速しました。そこに新型コロナウイルス禍が重なり、市場は冷え込みました。ファッションよりも安定した分野といわれますが、回復には時間がかかる可能性があります。

 ユニフォーム営業部の20年度上半期(4~9月)も厳しい状況です。主軸のワークウエア分野が伸び悩み、堅調だったサービス分野も勢いをなくし、全体として前年同期の実績に届かない水準で推移しています。日本国内の産地を守るためにも新しい挑戦が必要です。

  ――具体的にはどのような取り組みになりますか。

 清潔志向への対応など、新型コロナ禍に合致した素材の提案です。洗濯しても残ってしまう皮脂に起因する臭いの発生を低減するポリエステル素材「バイスティン」を開発しました。汚れやすいワークウエアや臭いに敏感なオフィスウエアに向けて21春夏物から販売を開始しています。

  ――ウイズコロナ、アフターコロナで求められるのは。

 制菌が一つです。これまでメディカルでの展開が主体でしたが、ワークウエアやサービスにも広げます。手洗い、消毒の回数が増えていることに対応する「エバース」シリーズもあります。塩素系漂白剤による退色を抑制する加工で、ポリエステル100%対応とポリエステル綿混に応じるタイプをそろえています。

 独自の抗ウイルス加工の製品化も進めていますが、顧客との個別開発にも取り組む方針です。そのほかにも耐久防汚加工の「ナノアクア」シリーズなどもラインアップしています。これらはグループの大阪染工や北陸の協力会社で手掛けるので、差別化加工の訴求は産地活性化の一助にもなると考えています。

  ――サステイナビリティーやエコロジーも欠かせません。

 環境配慮型ポリエステル素材の冠ブランド「エコフレンドリー」を軸に、機能性素材のエコタイプを打ち出します。エコに関しては総合展開を図るので、ニーズがあれば他社との協業もあり得ます。こうした取り組みで顧客に選ばれる存在を目指します。