ユニチカトレ―ディング 21秋冬スポーツ/エコ素材を多彩に/安全・衛生も打ち出す

2020年10月23日 (金曜日)

 ユニチカトレーディングは21秋冬向けのスポーツ素材で、「エコフレンドリー」や「キャストロン」、「エアーホールド―NB」といった環境配慮型の素材を重点的に投入する。4月にスポーツ部門と婦人服地部門とを合体させる組織再編を実施し、相乗効果の発揮を目指す。

 新型コロナウイルス禍に伴い、21春夏や秋冬に向けたスポーツ素材展の開催を見送ってきたため、同社はウェブ展の開催を検討している。来年5月には22秋冬向けの展示会開催に意欲を示している。

 この間、ユーザー訪問などで21秋冬に向けた商談を重ねてきており、同シーズンに向けてはケミカルリサイクルで生産する再生ポリエステル・エコフレンドリーやナイロン11・キャストロン、フリース代替エアーホールド―NBなどのエコ素材を前面に秋冬商戦に臨んでいる。

 キャストロンは非可食植物のヒマ(唐胡麻)を原料に生産するナイロン11。ナイロンのエコ素材があまり見られないため、「多くの引き合いを集めている」(福田晃久テキスタイル営業部長)と言い、ウインドブレーカーやインナー向けの織物、ニットをラインアップする。昨年のドイツの「パフォーマンス・デイズ」でも人気を集めたという。

 エアーホールド―NBは生地組織の工夫で繊維くずが脱落するのを抑制し、フリースなどの起毛品と同水準の保温性を持たせた。

 新型コロナ禍に伴い「安全、衛生へのニーズが高まっている」と見ており、洗濯後も残ってしまう残存皮脂による臭いの発生を低減させるポリエステル「バイスティン」を打ち出す。ほかにも抗ウイルス加工の開発を急ぎ21秋冬に間に合わせたい考えだ。

 20年度はベトナムにアセアン開発センターを設立したものの、新型コロナ禍で日本からスタッフを送り込めていないと言う。

 この間、インドネシア、ベトナムの現地法人との連携を強化し、海外テキスタイル生産の拡充を進めてきた。ベトナムでも早急にインドネシア並みの生産体制を構築し、日本から持ち込む高機能糸によるスポーツ素材の量産を計画する。

 組織再編に伴う効果の発現にも意欲を示し、スポーツ、婦人の間で素材や販路の交流に取り組み、新規顧客の開拓を目指す。