クラレファスニング「マジックテープ」/丈夫で長持ち新タイプ/初期の係合強力も向上
2020年10月27日 (火曜日)
面ファスナー製造のクラレファスニング(大阪市北区)はこのほど、面ファスナー「マジックテープ」で、丈夫で長持ちする新タイプを開発した。
面ファスナーは最初、しっかり留まっても繰り返し使用すると付きにくくなる。同社によると、面ファスナーを構成するフックやループのへたり(繰り返し負荷がかかったり、長時間負荷がかかったままの状態が続くことでフックやループの変形がもとに戻らなくなる現象)によるものという。
新タイプはフック面の設計を見直すことで、耐へたり性を従来品よりも22%向上させた。これにより、靴やサポーターなど着脱の頻度が多く、強い負荷が繰り返しかかり、へたりが発生しやすい用途でも長持ちできるようにした。
さらに、シアー強力(フックとループを平行に逆方向に引っ張るまでの最大強力を係合面積で割った値)は従来品より20%向上、ピール強力(上下逆方向に引っ張った時の係合が外れる平均強力を係合面の幅で割った値)も33%向上するなど、使い始めの係合強力も高めた。
通常、初期の係合強力と耐久性は相反する関係にあるが、新タイプはこれを両立させた。
ポリエステル製による耐水性や、二酸化炭素排出量がナイロン製に比べ約30%削減するなど環境対応は従来品通り。販売価格は「従来品よりも若干高くなる」と言う。