東洋紡STC 21秋冬スポーツ/巣ごもり需要を開拓/「スクラムテック」「Z―シャツ」拡販

2020年11月05日 (木曜日)

 東洋紡STCは21秋冬向けのスポーツ素材で、新たに開発したストレッチニット「スクラムテック」、フリース調「テックエアー」の販売を開始するとともに、巣ごもり需要の増大を背景に販売好調が続く高機能ニットシャツ地「Z―シャツ」、「E―シャツ」の拡販を計画する。

 同社によると、新型コロナウイルス禍の影響で21秋冬に向けた商談では「各社からの企画は出そろってはきたが例年に比べ抑え気味」(松村修スポーツアパレル事業部長)と言う。

 この間、展示会の開催を見送ってきたが、今年はグループ総合展の開催に意欲を示しており、12月8日から11日に東京・浅草のヒューリックホールで、同14日から17日に大阪市北区の本社で開催するための準備を急いでいる。

 同展では、新素材スクラムテック、テックエアーやZ―シャツ、Eシャツのバリエーションを打ち出すほか、新型コロナ禍以降、スポーツでも引き合いが強まっているという抗ウイルス素材「ナノバリアー」、「ヴァイアブロック」による企画提案を立ち上げる。

 スクラムテックは高密度ニット(丸編み)の一部に高弾性糸を交編し全体を締め上げた緻密でストレッチ性に優れるポリエステル。

 スポーツアパレルが巣ごもり需要の掘り起こしもにらみライフスタイル系アイテムの拡販を強化しており、このゾーンをターゲットに販促を進めている。

 テックエアーは起毛加工をすることなく軽さ、かさ高性、保温性を持たせたフリース調のポリエステルニット。特殊な糸加工によるスパンライクな表面感も特徴。

 Z―シャツ、Eシャツは郊外型量販店を経由するドレスシャツ向けの販売が好調で、在宅勤務に伴う需要増などを背景に「20年度も伸ばせる」との手応えを示す。

 新型コロナ禍に伴いスポーツの顧客からも「安全、衛生への引き合いが強まっている」と言い、21秋冬からナノバリアー、ヴァイアブロックによるスポーツ素材の販売を本格化する。

 ダウンウエアの表地向けに販売してきた軽量極薄織物「シルファインN」では極細版の開発を急いでおり、21秋冬には間に合わせられる見通しとなった。