山陽染工/環境配慮型加工を訴求/PTJでもアピール
2020年11月06日 (金曜日)
染色加工の山陽染工(広島県福山市)は、海外への販路拡大を視野に、「段落ち抜染」といった独自技術に加え、オーガニックコットンなどサステイナブル素材や環境に配慮した加工の打ち出しを強化している。
同社は昨年、イタリア・ミラノで開かれたテキスタイル展示会「ミラノ・ウニカ」に初出展するなど海外販路の開拓に力を入れてきた。欧米ブランドの採用も増えてきており、今後も訴求を強める。
環境配慮型の加工に加え「海外メゾンは天然繊維の話をするようになってきた」(山陽染工児島ファクトリーの森原聰取締役担当部長)ほか、国内でも「既存の品番をオーガニック素材に置き換える動きが出てきた」。これによって、ブルキナファソ綿や和紙など、サステイナブル素材を使った生地の打ち出しも強化している。
ムラ染めを意識した「ビギー加工」は、ビンテージ感のある生地面や、水や薬剤を抑えた製造工程が評価され、欧米ブランドで採用がある。国内でも引き合いが増えているという。
昨夏には、山陽染工児島ファクトリーが得意とする硫化中白染め「ダスティー加工」とワッシャーでの加工を組み合わせた加工を開発。生地の風合いなどが「海外を中心に評判が良い」ことから、今後も拡販につなげる。
これらの加工は、18、19日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開かれる「プレミアム・テキスタイル・ジャパン2021秋冬」でPRする。インディゴ染め生地にヨーロッパテイストの柄を抜染で表現した加工や、部分的に色の抜け具合を変えることで色の濃淡を表現する「段落ち抜染」といった同社の独自技術も併せてアピールする。




