豊島「フードテキスタイル」/資材や室内着向け提案強化/衣料だけでなく他領域へ拡大

2020年11月06日 (金曜日)

 豊島は廃棄食材を染料に活用するプロジェクト「フードテキスタイル」で資材やホームファッション向けへの提案に力を入れる。展開から6年目を迎えファッション衣料向けでは一定の知名度を得ており、今後は衣料だけでなく他分野へ領域を広げ販売拡大を目指す。

 同プロジェクトは廃棄予定食材を食品メーカーや農園などから買い取り、野菜やフルーツなどの分類に分けて染料を抽出し染色に活用する。同社が一元管理することで各流通経路を把握し徹底したトレーサビリティーとサステイナビリティーを実現している。

 衣料向けの中でも特にカジュアル向けの注文は堅調に推移しており、担当者は「業界の中ではある程度認知度は高まってきている」と述べる。さらなる販路拡大を進めるため、これまで開拓が進んでいなかった資材やホームファッション向けの提案を強化する。

 その一環として、あるメーカーとコラボレーションしフードテキスタイルの手法を生かした合成皮革を共同開発した。抹茶とコーヒーの食品残さを活用しナチュラルなカラーを表現した。色の濃淡でそれぞれ3色のバリエーションがある。ソファーや椅子張り地向けなどに訴求する。

 フードテキスタイルの原料は綿が中心だが、資材向けに訴求するためポリエステルを入れたタイプも考案する。

 共同開発した合成皮革は、18日から東京国際フォーラムで開かれる「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」で初めて披露する。