東洋紡STC/抗菌・抗ウイルス打ち出す/新たに再生ナイロンも

2020年11月10日 (火曜日)

 東洋紡STCは21秋冬向けのインナー素材で、「抗菌、抗ウイルス、エコをコンセプトに開発した戦略商品群を打ち出す」(宮嵜勝浩インナー事業部長)としており、抗菌アクリル「アグリーザ」や抗ウイルス「ナノバリアー」、オーガニックコットンなどによるモノ作りに重点的に取り組んでいる。

 21秋冬に向けたインナー素材商戦では、新型コロナウイルス禍に伴う売れ行き不振で新企画を打ち出す機運が弱くなっていると言い、吸湿発熱「エクス」、保温「エアリーコット」、マイクロアクリル「極衣」といった既存企画への引き合いが多い一方、新しい傾向として安全、衛生を求めるニーズが強まっていると言う。

 このため、5~10%混で優れた性能を発揮する抗菌アグリーザを肌着やソックス向けに売り込むほか、50回洗濯後も性能が衰えない抗ウイルス・ナノバリアーによる素材開発を強化しており、巣ごもり需要開拓も含めてインナー・肌着向けに初めて投入する。

 「オーガニックへの引き合いも強まっている」ため、綿の吸湿発熱「ホットナチュレ」にオーガニックコットンをブレンドした紡績糸の商品ライン増強に力を入れている。

 21秋冬からは新たに再生タイプを含むナイロンの販売にも乗り出す。台湾メーカーとの連携を進めており、マイクロナイロン「シルファイン・プレミアム」、再生ナイロン「ループロン」をラインアップ。ランジェリー、ファンデーション向けに2ウエーを投入する。

 この間、展示会の開催を見送ってきたが、21秋冬向けのグループ総合展を計画しており、12月8日~11日に東京・浅草のヒューリックホールで、14日~17日に大阪本社で開催するための準備を急いでいる。