東洋紡STC ユニフォーム事業部/抗ウイルス「ナノバリアー」前面に/エコ素材の浸透目指す

2020年11月26日 (木曜日)

 東洋紡STCのユニフォーム事業部は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年度は「下半期以降、苦戦に転じた」(林英昌ユニフォーム事業部長)ものの、新型コロナ禍に伴い売れ行きが好転している抗ウイルス素材「ナノバリアー」で拡販を目指すとともに、環境配慮型素材による開発、企画提案に重点的に取り組む。

 ナノバリアーでは医療介護や食品白衣向けの販売が増大しており、一般の介護衣料や病院白衣、ドレスシャツからも引き合いを集めているという。

 ポリエステル高率混を中心に販売しており、ドレスシャツへも用途を広げていくため、高機能ニット「Zシャツ」への転用、綿100%による開発にも取り組んでいる。

 先にユーザーからの要望に応じ工業洗濯への優れた耐久性を持たせたタイプも開発。医療用途や寝具、マスクなどへも投入し、25年度で100万メートルの販売を計画する。

 同社は環境配慮型素材として、ペットボトル再生ポリエステル「エコールクラブ」、バイオポリエステル「同バイオ」、生分解性素材「ダース」の3本柱を構えている。

 エコールクラブ・バイオの市場浸透を重視しており、21秋冬からワーキング向けの販売を先行。定番を中心とする中肉織物で打ち出す。

 ダースでは、「製品回収まで踏み込まないと意味がない」との認識を示す。企業別注で数年後にユニフォームを回収し生分解させる仕組みの構築を検討しており、具体化にはなお時間がかかる見通しだ。

 テレワークの浸透も追い風にZシャツがドレスシャツを中心に好調な販売を続けている。今後は介護分野などへの売り込みを強化しユニフォーム向けを伸ばしたいとしている。