イナパル・プラスティコ/CF―RTMの新設備導入/製造工程を完全自動化

2020年12月08日 (火曜日)

 帝人グループで軽量複合材料部品を展開するポルトガルのイナパル・プラスティコはこのほど6億8千万円の設備投資で生産性、外観性、寸法・品質安定性に優れるCF―RTM(金型の中に炭素繊維シートを配置した後に樹脂を注入し加熱して硬化させる成形方法)の成形設備を新設した。

 新設したCF―RTM成形設備では、同グループが有する炭素繊維、CAE解析、流体解析、プリフォーム、金型設計などに関する技術を駆使することで製造工程の完全自動化を実現した。

 部品の要求性能に応じて厚みを調整でき、炭素繊維を50%以上含有する高強度の成形品を製造できる。射出時間が20秒と短いため、生産効率も向上。このプロセスによる成形品は従来のアルミ製に比べ30%軽量化できるため、環境負荷低減にも貢献する。

 自動車業界で“クラスA”と称される美麗な外観を持つ外板部品や優れた剛性が求められるホワイトボディーなど主要構造部材の成形が可能なため、既に欧米自動車メーカーの採用が進んでいるという。