帝人フロンティア/国内縫製網を整備/有事に医療用ガウン生産

2020年12月25日 (金曜日)

 帝人フロンティアはこのほど、国内の縫製企業とネットワークを結成し、感染症流行など有事に医療用ガウンを国内生産する体制を整備した。現在、40社がネットワークに参加しており、月200万着の国内生産能力を確保した。

 新型コロナウイルスなど感染症の大流行の際には、医療現場で感染防御のための医療用ガウンが不足することが大きな課題となる。加えて現在、医療用ガウンのほとんどが海外生産のため、有事の際に安定的に調達できない可能性も危惧される。

 こうした中、帝人フロンティアは今年から医療用ガウンの取り扱いを始めており、海外調達だけでなく国内でも有事の際に安定的に生産できる体制の整備を進めてきた。この考えに賛同した国内縫製企業とネットワークを結成することになった。

 生産に際しては帝人フロンティアが原反の供給と型紙データを提供し、縫製仕様、品質基準なども統一した上で、政府や医療機関に販売する。引き続きネットワークに参加する縫製企業の拡大に取り組んでおり、生産能力の増強を進める。

 同社は4~9月だけで1億着の医療用ガウンを供給した実績がある。これまでは海外生産品が中心だったが、今後は国内生産品も供給する体制が整った。平時はネットワーク参加企業と繊維産業や縫製業の将来に向けた取り組みなどを検討する勉強会や情報交換を行うなどで連携を深める。