豊島/3Dデザインの提案に本腰/内製化めざし社員研修実施

2021年01月05日 (火曜日)

 豊島は、3次元(3D)技術を駆使した服作りの提案に力を注ぐ。顧客のニーズに応じた3Dサンプルを自社で製作するため、社内のデザイナーやパタンナーを対象に、専用ソフトウエアの研修を実施している。全社的にデジタル化を推進し、顧客の生産効率化の支援に生かす。

 同社は2020年4月から、3D活用を本格的に進める施策の検討を始めた。3Dソフトを導入し、操作を習得するための社内研修も開始した。

 社内に「DX推進チーム」を立ち上げ、全社で3D活用を促進する姿勢を打ち出した。「デザイン企画室」には、新規の採用者を加えた3人のモデリストをそろえ、専門部隊の拡充を図った。

 同社が導入したソフトは「CLO」(クロ)、「ブラウズウエア」、「エイペックス」の3種類。「ブラウズウエアで組み立て、クロで動画を作成する」というように、各ソフトの特徴を生かした使い分けをしていく。

 これまで、延べ約50人が3Dソフトの社内研修を受講した。3Dデザインの提案力を底上げするため、継続して人材育成に取り組む。3Dサンプルについては内製化を進めながら、CG加工、アニメーション作成、アバター撮影などの作業は、専門会社との連携でカバーする。

 各営業課でも、顧客に向けた3Dデザイン活用の提案を推進する。取り扱うアイテムによって変わるニーズにも、ロットを気にせず、きめ細かく対応できるメリットを訴求する。

 13日から東京本社(千代田区)で開催する、21―22秋冬総合展示会で、3Dを活用した事業「バーチャル・クロージング」の内容を披露する。