帝人フロンティア・ユニフォーム素材/下半期は回復へ/ワーキングなどを拡大

2021年01月08日 (金曜日)

 帝人フロンティアのユニフォーム素材販売は、昨年10~12月から回復に向かった。下半期(2020年10月~21年3月)は素材開発の強化とともに、白衣やワーキングなどでの拡大に注力し、1~3月は前年並み、来期(22年3月期)は新型コロナウイルス禍前の水準に戻す。

 上半期は、オフィス・サービスが前年比約25%減になるなど新型コロナ禍の影響を受けた。下半期もオフィス・サービスの市場環境は厳しいとみており、底堅く推移する白衣、次シーズンに向けて動きが出てきたワーキングなどを伸ばしてカバーする。

 ワーキングは「まだシェアが低く、拡大の余地がある」(門脇秀樹ユニフォーム部長)として、特に力を入れる分野に位置付ける。タイ・ナムシリ・インターテックスや南通帝人の活用や国内産地との連携で開発を強化し、差別化素材を軸に拡大を狙う。ワーキングとカジュアルを融合させた素材開発のほか、空調服向けに撥水(はっすい)素材「ミノテック」を提案していく。

 白衣は食品向けを強化するとともに、昨年までに生産体制を固めた医療向けも伸ばす。素材は吸水速乾などの機能加工素材や丸編みタイプなどに力を入れる。洗濯時の色移り対策として注目が高まるカラー原着糸にも注力する考えで、仮撚りの工夫でストレッチ性やソフトな風合いを持たせている点を訴求する。

 ユニフォーム素材は織物が主力だが、今後はニットの開発も強化する。ニットを強みとするスポーツの部署とも連携し、高バランス素材の丸編みの技術を生かした開発などを進める。