クローズアップ/東洋紡STC スポーツアパレル事業部長 松村 修 氏/久々のリアル展が好評に

2021年01月14日 (木曜日)

 21春夏に開いた総合展以来となるリアル展を昨年の年末に東西で開催した東洋紡STC。例年よりも会期を1日増やすとともに、完全アポイント制を導入するなどの対策を講じ3密を回避した。久々のリアル展に対する来場者の反応はどうだったのか、22春夏に向けた販売戦略は……。松村修スポーツアパレル事業部長に聞いた。

  ――東京の浅草橋、大阪本社で22春夏向けの「東洋紡グループ繊維総合展」を開催した。

 こんなご時世ですから完全アポイント制を敷くなど万全の対策をとった上で東京、大阪で開催しました。おかげさまで前回並みの人数の方に来場いただきました。新型コロナウイルス禍以降、実際の素材や製品を見て触って商談を行う機会が極めて少なかったため、来場者からの反応は非常に好評でした。密にならないようパネル展示の数をかなり絞り込んだため、逆に当社からの発信をフォーカスすることもできました。

  ――“守る”をコンセプトに掲げた。

 新型コロナ禍のような厄災から人々を守る、あるいは環境汚染から地球を守る、そんな願いを込めて今回は安全・衛生素材、エコ素材をイチ押しとして打ち出しました。

  ――スポーツでも安全、衛生が求められている。

 最近はそんな要望が強くなっています。抗ウイルス「ナノバリアー」をユニフォーム向けを先行し既に販売しています。スポーツ向けの開発を急いでおり、22春夏には間に合わすことができます。原綿の改質で抗菌防臭性能を持たせた新素材「ABコット」も開発しました。

  ――エコ素材への関心は。

 エコへの要望は年々、強まっています。今後、エコと衛生はスポーツでも定番化するとみています。22春夏では再生ポリエステルで開発したノンスパンデックスのストレッチ糸「ニュートロン」、抗スナッギング「アクセンシャルゼブラ」、吸汗速乾・ストレッチ「テクニスタ48」、防風・撥水(はっすい)「スペクター」などを冠ブランド「イーガイズ」に統合し売り込んでいきます。

  ――巣ごもり需要の開拓を強化している。

 高機能ニットシャツ地「Zシャツ」の販売が好調で、2020年度は50%の増販を達成できそうです。新たに開発したポリエステルの高密度ニット「スクラムテック」も合わせて巣ごもり需要、ライフスタイルのゾーンを掘り起こします。Zシャツでは21年度も前年並みの増販を目指していきます。