豊島「kurumi」/着るスマートタウン構想/いわき市と連携し課題解決

2021年01月19日 (火曜日)

 豊島は、スマートウエアを活用し、地域が抱える課題を解決するスマートタウンモデル「着るスマートタウン〝kurumi〟(クルミ)構想」を打ち出した。第1弾として、福島県いわき市と連携協定を締結し、ウエアラブルの技術を駆使して市民の健康増進などに取り組み、先進事例の構築を目指す。

 同社は2017年から、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)からの出資を通じ、先端技術を持つベンチャー企業とスマートウエアの開発などを進めてきた。ファッションと先端技術の融合で生まれる力を使い、安全確保のための「見守り」や健康増進など、生活向上に貢献するビジネスの創出を図っている。

 このほど、「スマートライフの推進に関する連携協定」を結んだいわき市は、成人の生活習慣病の出現率が高いという課題を抱えるため、市民の健康増進を重点施策に設定している。スマートウエアなどで健康状態を〝見える化〟しながら、オンラインで受講できるヘルスケアプログラムを実施する。

 今後は、同協定で掲げる、先端技術を活用したスマートライフの実証実験や社会実装などにも取り組んでいく。

 豊島は、クルミ構想の具現化に必要なウエアラブル関連製品の拡充、進化を図る。

 スマートアパレル開発のXenoma(ゼノマ、東京都大田区)と協業するスマートパジャマを、運動量に応じて企業のスポンサーシップを獲得できるCUVEYES(キューヴアイズ、東京都中央区)のアプリ「SPOBY」(スポビー)と連動させるサービスを開始する。春ごろを予定する。

 米国・サイズミック社のアシストスーツを新規に取り扱う。同商品は、アパレルと同等の着やすさが特徴で、姿勢や動作のデータを記録し解析する機能を持ち、ソフトのインストールもできる。

 ウエアラブルIoT製品を開発・販売するミツフジ(京都府精華町)のスマートウエアブランド「ハモン」の販促にも力を注ぐ。企業に向け〝ワーケーション〟がもたらすリフレッシュ効果や業務効率性向上の度合いを可視化するような使い方を、スマートパジャマと併せて提案する。