産地ブランド「ジャパンデニム」/デジタル商談に移行/生地、製品で存在感
2021年01月27日 (水曜日)
セレクトショップのアクセ(広島県尾道市)が監修する生地と製品の産地ブランド「ジャパンデニム」は、継続出展していた海外展への参加を見送り、デジタルプラットフォームでの商談に切り替えた。生地では、デニム製造工場の持続可能な取り組みを訴求するほか、製品ではパリ発の合同展示会「トラノイ」のデジタルプラットフォーム「トラノイリンク」に出展している。
当初は2月開催の有力素材見本市「ミラノウニカ」に出展する予定だった。しかし、リアル展が中止になったことで「デジタルでバイヤーとの接点を増やす。先んじて準備を進めており、2月上旬には本格稼働する」(高垣道夫専務)と話す。
今回は、米国シリコンバレーのベンチャー企業、マーターポート社のバーチャル技術を導入。山陽染工(広島県福山市)や坂本デニム(同)、篠原テキスタイル(同)などの工場を特殊技術で撮影し、ジャパンデニムのホームページ上で立体的な俯瞰(ふかん)図や詳細画像を見ることができる。
昨年2月のミラノウニカ(リアル展)では、計画を超える170件の商談を実施。特に排水処理やエコ染色、レーザー加工の採用、CO2排出削減における省エネルギー化といったジャパンデニムの持続可能な取り組みに注目が集まった。こうした強みを周知する手段として「デジタルプラットフォームが威力を発揮する」と自信を示した。
製品では、ジェトロ(日本貿易振興機構)と連携しながら、トラノイリンクに出展。欧米、アジアの専門店販路を開拓している。日本国内では昨年8月、ギンザシックス(東京都中央区)に期間限定店を開設し、ファッションブランド「コーヘン」「ラシュモン」などと協業したデニム製品が好調に推移した。コーヘンのデニムジャケットは卸でも取引量を増やした。
アクセでは、リアル展の再開を見越し、ミラノウニカ、トラノイへの出展を継続する考え。製品では、セレクトショップを運営する“小売り目線”の企画を投入し、「最終的にはデニム生地の生産量を増やしたい」とする。




