帝人、福井経編興業など/心・血管修復パッチで被験者登録完了

2021年01月28日 (木曜日)

 帝人、福井経編興業(福井市)、大阪医科大学は3者共同で「心・血管修復パッチOFT―G1(仮称)」の開発を進めている。2019年5月に開始した臨床試験で、このほど目標としていた症例数の被験者登録を完了した。

 今回、登録された被験者は0歳児から成人までの幅広い年齢層で、さまざまな先天性心疾患を持つ患者。今後、手術後1年間の安全性や有効性のデータについて評価した後、製造販売承認申請のための準備に着手する。

 同パッチは大阪医科大学の心臓血管手術に関する豊富な知見と福井経編興業の優れた経編技術、帝人のポリマー解析技術を組み合わせて創出した医療材料。

 体内に埋め込んだ材料の一部が自己組織と一体化し、体の成長に合わせて伸長可能な構造をしているため、実用化により先天性心疾患患者の再手術のリスク低減につながるほか、患者や家族の肉体的・経済的負担を軽減することが期待できるという。