三陽商会/自社工場2社を統合/小ロット、短納期対応も

2021年01月29日 (金曜日)

 三陽商会は27日、自社工場のサンヨーソーイング(青森県七戸町)、ならびにサンヨー・インダストリー(福島県福島市)を2月1日付で統合すると発表した。生活様式が変化し、コート生産に特化したサンヨーソーイング、スーツ生産に強みのあるサンヨー・インダストリーともに生産効率化とコンパクト化が急務になっていた。

 2拠点ともに工場としての機能は維持する。なお存続会社をサンヨーソーイングとし、研究開発機能の強化や技術力を結集する狙いもある。今後は、パターン設計から商品サンプル作製までを内製化し、短サイクルでの量産化、さらに小ロット、短納期の生産にも対応する。

 近年、ビジネスマンにおけるスーツの着用機会が減少し、コートでも需要が分散化していた。さらに新型コロナウイルス禍で通勤服の消費量も減少していた。同社では「ニーズに対して迅速な商品化を図る」としている。

 サンヨーソーイングは1969年にコートの専業工場として設立された。工程数の多いコートを正確に縫製する技術は、同社の製品に加え、セレクトショップからも多くの受注を獲得している。特にトレンチコートの生産技術で高い評価を得ている。

 一方のサンヨー・インダストリーは76年に設立。パーソナルオーダーのスーツ生産などに対応している。