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ひと/帝人フロンティア 取締役常務執行役員 平田 恭成 氏/適材適所のチームで進む

2021年02月09日 (火曜日)

 新型コロナウイルス禍が続く中、オンラインでの社長交代会見だった。日光信二代表取締役社長執行役員の横に座った平田恭成取締役常務執行役員からは画面越しにも緊張感が伝わってきた。「包容力があり、人望も厚い」と評された平田氏は「適材を適所に配置し、チームとして進んでいきたい」と次期社長としての抱負を語った。

 1985年に日商岩井に入社して以来、産業資材畑を歩み、帝人商事と日商岩井アパレルとの合併、帝人旧高機能繊維事業本部のポリエステル繊維事業の統合などを間近で見てきた。思い出すのは帝人商事との合併。「帝人商事は繊維に強く、若いプロフェッショナルがたくさんいた。すごく勉強になった」と振り返る。

 日光氏はポリエステル繊維事業統合時について触れた。「粘り強さを発揮してくれ、胆力を感じた。同時に包容力も持つ。何に対しても軽々に判断せず、しっかりと受け止めて判断する」と平田氏の人柄を語り、“美しい環境と豊かな未来に貢献”という企業理念を達成するのに「最もふさわしい人物」と話した。

 内示を受けたのは1月。「自分に社長としての力量があるとは思えず、自分で本当にいいのかと不安がよぎった」と言うが、覚悟を決めた。新しい取り組みにも積極的に挑戦するが、進行中の中期計画の完遂と環境配慮型事業の強化、企業風土の醸成などを大きな目標として掲げる。

 この中で中計については「新型コロナ禍による遅れは取り戻せる」とし、当初に掲げた目標を変更するつもりはないと強調した。産業資材は中計達成の見込みが立てばM&A(企業の買収・合併)も含めて次の成長のための絵を描く。衣料繊維は素材開発に力を入れる考えを示した。

 会見で日光氏との違いについて問われ、「(日光社長は)強いリーダーシップを持ち、先頭に立って会社を引っ張てきた。それは自分にはまねができない」とした。その上で自身のやり方を学生時代に打ち込んだ野球に例え、「全員が4番打者のチームはありえない。適材適所をしっかりと行う。そうすれば良いチームができ、みんな付いてきてくれる」と語った。

 繊維業界で高いプレゼンスを獲得してきた同社。日光氏は「やり残したことはたくさんあり、それを言うときりがない。やり残したことは安心して託せる」と話した。平田氏がどのようなチームを作り、帝人フロンティアを導いていくのか、楽しみだ。

(桃)

 ひらた・やすなり 1985年日商岩井入社。2005年NI帝人商事繊維資材本部繊維資材第二部長、13年帝人フロンティア繊維資材本部繊維資材第二部長、18年6月同取締役執行役員などを経て、20年4月同取締役常務執行役員。