帝人フロンティア・スポーツ素材/来期は80%の水準に/エコの差別化素材に注力

2021年02月15日 (月曜日)

 帝人フロンティアのスポーツ素材販売は来期に新型コロナウイルス禍前の80%の水準に戻す。エコと感性を兼ね備える差別化素材の提案に注力するほか、縫製品の部署と連携したアセアンオペレーションや、医療など新たな用途開拓に取り組む。

 今期(2021年3月期)は前年比30~40%の減収となる見通し。特に上半期が苦戦したかたちで、下半期は電子商取引(EC)を伸ばす顧客からの需要が戻るなど回復に向かった。海外は、中国市場での取り組みを積極化するグローバルアパレルから先の話が入り出し、欧州も下半期はほぼ通常の形に戻って10~20%減にとどめる一方、米国、日本は厳しい。

 来期(22年3月期)は、20年3月期の80%の水準に戻し、その次の期に新型コロナ禍前の形とする。足元では「エコで感性を高めた素材はよい反応を得ている」(中谷太一テキスタイル第一部長)とし、「アスティ」「デルタntr」「サーモ フライ」などエコをベースにした差別化素材を軸に拡大を狙う。

 リサイクルや植物由来をベースにした素材のエコ化とともに、生産プロセスのエコ化も重視する。染色における水やエネルギーの削減などに取り組み、トータルでのエコを訴求する。

 スポーツで培った技術を他分野に応用していく取り組みも強化する考えで、医療ガウンやその下に着用する機能インナーなどを狙う。社内連携を強め、縫製品の部署との連携によるアセアンオペレーション、ユニフォームと連携した素材開発などに取り組む。