ダイワボウレーヨン/EC混リサイクルを実現/国際プロジェクトに参画
2021年02月22日 (月曜日)
ダイワボウレーヨンが再生セルロース繊維の技術を生かし、使用済み衣料品のリサイクル・アップサイクルを実現する先端研究に積極的に参画している。このほどH&M財団などが推進するポリエステル綿混(EC混)使い衣料品のリサイクルに関する国際的な研究開発プロジェクトに参画した。
近年、使用済み衣料品のリサイクル・アップサイクルに関するさまざまな研究開発が進められているが、大きな課題となっているのがEC混など混紡・交編素材への対応。素材リサイクルの前段階として商品を構成する異なる原料を分離回収する必要があり、その技術的ハードルが高い。
現在、市場に流通する繊維製品のうち、EC混など混紡・交編素材を使ったもののウエートは極めて大きい。このため混紡・交編素材の分離回収問題が解決しない限り、衣料品のリサイクル・アップサイクルの本格的普及は難しいとさえいわれる。
この課題に対して、このほどH&M財団と香港繊維アパレル研究所(HKRITA)が使用済みEC混衣料品をポリエステルと綿に分離する技術と装置を開発した。このプロジェクトにダイワボウレーヨンも参画する。
H&M財団とHKRITAが開発したシステムでは、分離回収したポリエステル繊維は再生ポリエステル繊維の原料として再利用できるが、綿はパウダー状で回収されるため、当初は利用手段がないと考えられた。これをダイワボウレーヨンがレーヨンの原料として再利用する。
H&M財団とHKRITAのプロジェクトにダイワボウレーヨンが参加したことでEC混の使用済み繊維製品を完全リサイクル・アップサイクルすることが実現する。既に綿パウダーを原料とした再生レーヨンの紡糸にも成功しており、Tシャツなど製品サンプルもH&M財団のイベントなどで採用された。
今回の技術確立で、EC混も含む使用済み繊維製品のリサイクル・アップサイクルの取り組みが本格的に加速する可能性が出てきた。