東レ/新しいUF膜を開発/高ウイルス除去性と高透水性両立
2021年03月01日 (月曜日)
東レはこのほど水処理に使われるポリフッ化ビニリデン(PVDF)製限外ろ過膜で、高ウイルス除去性と高透水性を兼ね備えた新しいUF膜を開発した。
ウイルスを効果的に除去し透水性が低下しないため、食品・飲料から下廃水再利用といった幅広い分野の水処理で安全・安心な処理水を省エネルギー、低コストで提供することが期待できるという。
同社はこれまで高強度と高透水性を追求したPVDF製UF膜を水処理用途に展開してきた。近年、水処理の安全性、低コストの観点から、UF膜には病原性ウイルスの除去性能向上と高透水性の両立が求められているという。
しかし、ウイルスが除去できる範囲まで孔径を小さくするとUF膜の抵抗が大きくなり透水性が低下するため、高ウイルス除去性と高透水性の両立は困難だった。
東レは相分離制御技術を用いた均一緻密構造の設計、革新中空糸膜プロセス技術による高ウイルス除去性と高透水性を両立することによってUF膜に求められる性能を実現した。
今後は実用化を目指し各用途での実証を加速する。