東洋紡STC/清潔・エコに照準/不織布の販売本格化

2021年03月02日 (火曜日)

 東洋紡STCは22春夏向けのインナー・肌着素材として清潔、エコにこだわって開発した「爽快コットーO」や「ヴァイアブロック」などを重点的に打ち出す。用途開拓の一環として非衣料・資材へも進出。マスク向け不織布の販売にも乗り出し拡販を計画する。

 同社は昨年12月、東西で1年ぶりのグループ総合展を開催しており、「久々のリアル展だったこともあり、人数制限をかけたものの例年並みの来場者でにぎわった」(宮嵜勝浩インナー事業部長)と言う。

 22春夏に向けては、オーガニックコットンで商品化した吸汗速乾「爽快コットーO」、消臭「デオドランーO」を重点的に投入。オーガニックコットン使いの綿100%に機能性を付与した素材の希少性を訴求し市場浸透を目指す。

 最近の清潔を求めるニーズの高まりに伴い、抗ウイルス性能が特徴のアクリレート繊維「ヴァイアブロック」、ポリエステルへの後加工「ナノバリアー」が昨年来、引き合いを集めていると言う。

 インナー・肌着向けに打ち出すとともに非衣料・資材分野へも本格的に進出するため、マスク向けの不織布の拡販にも力を入れている。

 入善工場(富山県入善町)でヴァイアブロック30%、ポリエステル短繊維70%によるサーマルボンドの量産を立ち上げており、グループ総合展に招待した非衣料・資材志向を強めつつあるインナー・肌着のアパレルへの売り込みに取り組んでいる。

 2021年度は5月25~27日に大阪で、6月2~4日に東京でそれぞれグループ総合展を開催することにしており、引き続き清潔、エコをコンセプトとする素材開発を強化したい考えだ。