東洋紡/FO膜で新水処理システム/早期実用化を目指す

2021年03月04日 (木曜日)

 東洋紡は海水淡水化プラント向けに中空糸型正浸透膜(FO膜)を搭載した環境配慮型の水処理システムを海水淡水化分野のコンサルタント会社SWPC社(アラブ首長国連邦)、東洋紡の連結子会社アラビアンジャパニーズメンブレンカンパニー(AJMC)と共同で開発し米国へ特許を仮出願した。今後、実証実験を重ね早期実用化を目指していく。

 東洋紡は1970年代に中空糸型半透膜を開発し逆浸透膜(RO膜)として海水淡水化プラント向けに供給してきた。現在、約640万人分の使用量に相当する1日当たり約160万トンの真水を製造している。

 このほど開発したのはFO膜モジュールを搭載し濃縮海水を効率よく利用することで濃縮海水の排水量を削減するだけでなく、システム内で発生するエネルギーを利用できる次世代の環境配慮型水処理システムであるという。

 濃縮海水を有効活用する同システムは既存の海水淡水化プラントに追加で容易に設置できるなど、大きな設備投資を伴うことなく環境に配慮した水処理システムの実現に貢献するという。

 今後はSWPC、AJMCと協働し実証実験により安定運転のノウハウを確立することで早期実用化を図る。