AEVとソーラールーフ共同開発/帝人

2021年03月05日 (金曜日)

 帝人はLS―EV(低速EV)の開発パートナーである豪州アプライドEV(AEV)との共同でポリカーボネート樹脂製の近未来モビリティー向けソーラールーフを開発した。

 今回、開発したのは、帝人のポリカ樹脂「パンライト」グレージングを表層に用いた太陽電池搭載のLS―EV向けルーフ。

 ガラスでは難しい車体ルーフに適した曲面形状を一体成形することで、求められる強度や剛性を実現したという。

 ポリカ樹脂は耐候性に問題があるため、屋外での長期間の使用をにらみ、独自のハードコート技術の採用で自動車に要求される10年相当の耐久性も実現した。

 ソーラールーフに搭載した太陽電池セルの出力は豪州の日照条件下でのテストで一般的なソーラーパネルと同等の約330ワットを記録。

 帝人、AEVはソーラールーフのエネルギー効率を実証するため、一般車両向けLS―EVを想定した10キロワットのバッテリーを搭載するプロトタイプ車体を制作した。

 LS―EV向けのプラットフォーム「ブランクロボット」に装填し豪州の日照条件下で試験を行ったところ、走行距離が30~55キロ(最大約30%)伸びることを確認した。