「インターテキスタイル上海」開幕/備蓄、サステ、産地物を訴求/「ジャパン・パビリオン」は初日午前中から盛況/「ジャパン・パビリオン」の20社

2021年03月18日 (木曜日)

 服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス2021春」が17日、中国・上海の国家会展センター〈上海〉で開幕した。日系企業を集めた「ジャパン・パビリオン」には20社が出展。新型コロナ後に加速する短納期・小ロットのニーズに対応する備蓄品やサステイナブル素材、日本製の「産地物」を各社が訴求している。会期は19日まで。(岩下祐一)

 今回展の出展者数は、17カ国・地域の約3千社で、新型コロナウイルス禍前の前回春展(19年¥文字(':'+Vdir)23カ国・地域の約3273社)をやや下回る。20年春展は新型コロナ禍で中止になったことから、春展としては2年ぶりの開催だ。昨年秋展に続き、中国の入国規制が影響し、日本を含めた海外出展者はいずれも中国法人や代理店となった。

 日本ファッション・ウィーク推進機構(JFW)が主催する「ジャパン・パビリオン」には、新規5社を含む20社が出展。新規はダイワボウレーヨン、興和、ティーンフォン、コゼット、鈴木晒整理。継続出展社はサンウェル、双日ファッション、瀧定名古屋、宇仁繊維、豊島、田村駒、モリリン、桑村繊維、植山織物、柴屋、ルシアン、卓Edge、アゼアス、アイリス、朝日ファスナー。このほか旭化成や帝人フロンティア、三菱ケミカル、スタイレム瀧定大阪が、国際館などにブースを構えている。

 開催初日は小雨が降る中、午前中から多くの来場者でにぎわった。中国では新型コロナ禍はほぼ抑えられているが、出張を控える動きが続いている。そのため、上海以外からの来場者の減少が懸念されたが、今回展には深¥文字(U+5733)、広州や青島、杭州など、繊維産業の盛んな各都市のブランド関係者が足を運んでいる。

 JFWは日本貿易振興機構(ジェトロ)の協力を得て、ジャパン・パビリオンに約60社のバイヤーを招く。「アイシクル」や「JNBY」など、日系出展者にとっておなじみの大手ブランドのほか、ネット通販専業の高級レディース「D家」「小虫」「茉莉雅集」「ランプ」などが来場するもようだ。アパレルの現地企画の充実に取り組む「アシックス」「無印良品」「ミズノ」「23区」などの日系ブランドも招いている。

 ジャパン・パビリオンに出展する生地商は今回、新型コロナ禍後に好調を維持するネット通販ブランドや、ネットシフトを強める実店舗型ブランドの短納期・小ロットのニーズに応える備蓄品と、中国現地での開発品の二刀流を訴求する。日本製備蓄品の現地ニーズとのミスマッチや、地産地消によるQRの強化が、現地開発品の強化につながっている。

 一方、繊維商社は消費のアップグレードや、ニーズの細分化に対応する日本の産地企業の高付加価値品と、ベターゾーンの顧客に対応するための現地開発品の二段構えを取る。バイオーダーで生産する産地物の高付加価値品へのニーズはあるが、客先の広がりに限界があり、ボリュームゾーンの開拓が求められていることが背景にある。

 サステイナブル素材の打ち出しも目立つ。「ネット通販ブランドが消費者へのアピールのため、オーガニックコットンを使っている」(生地商社幹部)など、同素材使いの生地への引き合いが増え始めている。