テイジンコーポレーション〈タイランド〉/自動車、防護衣に重点/物流網混乱には早めの対策

2021年03月24日 (水曜日)

 帝人グループのアラミド繊維製品製造タイ子会社のテイジンコーポレーション〈タイランド〉は引き続き自動車関連と防護衣用途での拡販を重点的に進める。コンテナ不足など物流網混乱の影響も顕在化しているため、その対策にも取り組む。

 同社の2020年度(21年3月期)商況は、上半期(4~9月)に販売量が大きく落ち込んだ。自動車用途は生産停止などによる受注減少があったほか、防護衣用途も入札の延期などで需要が減退した。ただ、下半期(20年10月~21年3月)に入ると防護衣用途の低調は続いているものの、自動車用途は回復した。

 21年度も引き続き「モビリティー関連と防護衣関連へシフトする戦略は変わらない」(岩下憲二社長)とし、継続的なコストダウンなど体質強化に取り組む。船便やコンテナの不足など物流網の混乱が続いていることから、早めの原材料調達やタイ国内での在庫確保など対応を進める。

 世界的にSDGs(持続可能な開発目標)への対応の要求が一段と高まっていることから、帝人グループの方針に沿い、工場での省エネルギーやエネルギーソースの転換、化学物質排出量の削減などを進める。加工プロセスで発生する繊維くずの再利用にも取り組む。

〈インドに現地法人/帝人フロンティア〉

 帝人フロンティアは海外拠点の販売力強化、グローバルネットワーク拡大のため2月26日、インド・グルグラムに現地法人「帝人フロンティア・インディア」を設立した。

 資本金は千万インドルピー。代表者にはテイジン・インディアの内田俊一氏が就任した。4月1日から営業活動を開始する。

 インドは世界第2位の人口を擁し堅調な経済成長を見込めることから、帝人グループはかねて現地法人を設立してインド市場の開拓に取り組んできた。

 帝人フロンティアも2010年から現地で市場調査や営業活動に着手するなど営業基盤の構築に取り組んできた。

 今回の現地法人設立に伴い、帝人フロンティアグループの戦略領域である環境ビジネス、モビリティ、高機能テキスタイルなどで事業拡大を図り、今後も“素材から製品までのグローバルなバリューチェーンの構築”を強化する。