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帝人フロンティアのタイ子会社/工業繊維は回復基調も/物流混乱などが不安材料に

2021年03月26日 (金曜日)

 2020年は新型コロナウイルス禍で経済に大きな打撃を受けたタイだが、自動車関連など産業資材分野は年後半から回復基調となる。このため帝人フロンティアのタイ子会社で工業繊維の製造や加工を担う各社とも稼働は回復基調となった。ただ、自動車生産の本格回復の遅れや物流網混乱など新たな不安材料も増えており、21年度(22年3月期)は、その対応に取り組む。

 タイの20年の自動車生産台数は前年比29%減の143万台だった(タイ工業連盟発表)。特に前半は新型コロナ禍によるサプライチェーンの停滞もあって生産台数が大幅に減少し、後半から急回復した。こうした動きにタイヤコードやゴム資材など工業繊維の需要も大きな影響を受けた。

 タイヤコード織物製造のテイジンFRAタイヤコード〈タイランド〉は20年度上半期(4~9月)に需要の大幅減退を受けて苦戦したが、10月以降は需要が急回復した。ただ、世界的なコンテナ・船便不足や一部原材料の供給不安など新たな問題が出てきたことで、需要を完全には取り込めていない。

 同社ではコンテナ不足やそれに伴なうコストアップ、リードタイムの長期化が当面続くと想定する。このため21年度は「着実な需要情報の確保と調達・在庫管理が重要になる」(嶋田慎太郎社長)と指摘する。依然として新型コロナ禍でヒト・モノの移動が制約されていることから、生産・調達の現地化などサプライチェーンが変化する可能性もある。この中で東南アジア地域での新規需要の取り込みに積極的に取り組む。

 ベルト・ホース補強用コード製造販売のテイジンコード〈タイランド〉も20年度は後半から受注が回復し、20年度比70%の水準となっている。ただ、21年度も市況の完全回復は期待できないことから、「引き続き基本的な製造・販売コスト削減と拡販活動に力を入れる」(高橋真一社長)と言う。

 商社のテイジンフロンティア〈タイランド〉は、21年のタイの自動車生産台数を150万~180万台と見込んでおり、19年水準までは回復しないと予想する。このため自動車関連の販売は既存の需要を確実に取り込むことで利益を確保することが重要だとする。

 物流網の混乱で「ますます地産地消が促進されると思われる。タイ内需向けは国内生産体制を整えて対応する」(鎌田進社長)ことになる。