東麗酒伊織染〈南通〉/21年目標は19年並み/内販と欧米大手が回復

2021年03月31日 (水曜日)

 【上海支局】東レグループで、長繊維テキスタイルの生産と販売を手掛ける東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)は2022年3月期(21年4月~22年3月)、生産量を新型コロナウイルス禍前の19年並みに戻す計画だ。足元では、中国内販と欧米系大手ブランド向けが回復している。商品の高度化と短納期対応の強化で、目標達成を目指す。

 今期(21年3月期)の売上高は、新型コロナ禍の影響を受け、目標を約2割下回った。衣料向けは内販と欧米大手が回復する一方、欧米の中堅顧客や日系ブランドは芳しくなかった。エアバッグを始めとする非衣料用途は、日系自動車メーカーの好調を背景に売り上げを伸ばした。

 内販は大手スポーツやダウンウエアブランド向けが好調に推移した半面、カジュアルとファッション顧客の回復は遅れている。「スポーツ各社は上半期にネット通販で在庫を消化した。下半期は積極的に発注している」と秦兆瓊総経理は話す。

 アイテム別では、世界的なストレッチブームを背景に、2年前から注力してきたニット生地の内販が伸びている。「日本の北陸産地と連携し開発した機能性生地が、大手スポーツから引き合いを受けている。カジュアル、ファッション向けの開拓にもこれから力を入れる」(山田浩副総経理)。

 今年は、ストレッチ性を持つ高機能生地「プライム フレックス」の天然素材調などの売り込みも強める。合繊長繊維メーカーの東麗合成繊維〈南通〉など、南通のグループ会社と連携し、綿調素材などの開発を進めている。

 中国で消費のアップグレードが続く中、今年も染色と後加工で差別化した高感度の素材を投入していく。世界的にアパレル販売のネットシフトで高まる短納期のニーズに対しては、システムを使った生産の見える化で対応していく。