東洋紡/岩国にPP不織布拠点/マスク・防護服向けを安定供給

2021年03月25日 (木曜日)

 東洋紡は岩国事業所(山口県岩国市)にマスクや医療用防護服に使われる高機能ポリプロピレン(PP)製不織布の開発・製造拠点を新設し2022年7月からの量産を計画する。

 新型コロナウイルスの感染拡大当初、マスクや医療用防護服の需給がひっ迫したため、両者に使われているPP製メルトブロー不織布やスパンボンドを国内で安定的に供給していくことの重要性が浮上している。

 同社は経済産業省からの補助金を活用しPP不織布の製造拠点を岩国事業所に新設し、高機能不織布の安定供給を目指すことにした。

 新設する拠点では、アフターコロナを見据え耐久性や集塵(じん)効率などを向上させたより高機能な不織布、地球環境に優しい原料による不織布の開発にも取り組む。

 岩国事業所がマザー工場としての役割を担い、提携工場との連携も強化しながら、高機能不織布や環境対応不織布市場の拡大をグローバルに推進していく。

 新拠点の建物面積は1607平方メートル。4月に着工し来年7月から稼働させる。生産能力は年産1200㌧。設備投資額は約16億円。

 23日に岩国市役所で開かれた建設協定に関する調印式には、同市の福田良彦市長、山口県の福田浩治商工労働部長をはじめ多数の関係者が出席した。東洋紡の西山重雄専務執行役員は「マスク用不織布部材の国内サプライチェーン強化に貢献したい」と抱負を述べた。