繊維ニュース

特集 メディカル・介護ウエア2021(3)/2021年の注目商品/コロナ禍で変化したニーズを捉える

2021年03月25日 (木曜日)

 新型コロナウイルス禍によって、メディカル・介護ウエアに対するニーズも大きく変化した。特に感染症対策の影響から、抗菌・抗ウイルス志向や洗濯耐性に対するニーズが高まりを見せる。各社の2021年の最新商品を紹介する。

〈空気循環促し快適な着心地/フォーク〉

 フォークの「ジップスクラブ」は、「まるでスクラブが呼吸するように衣服内の熱や不快感を排出」する機能で特許出願中。伸縮性の良いストレッチ生地で、動きやすく、ポリエステル100%の優れたイージーケア性もポイント。

 後身頃の構造を利用して、ベンチレーション機能を追加。通気性のあるメッシュ生地を裏地に採用することで、空気が抜けるだけでなく、熱がこもらないため、空気循環を促し、一日中着用していてもストレスを感じさせないと言う。「7078SC」「7079SC」「7080SC」の価格は6800~7千円。

 新型コロナウイルス禍でのメディカル分野の販売は全体的に伸びた。ただ感染対策に伴う訪問営業の制限と、業界全体としてオンライン営業が浸透していない点が課題として挙がる。ウェビナーやウェブ展示会、動画共有プラットフォーム「ユーチューブ」などでデジタル化を推進している。

〈おもてなしを表現するウエア/ナガイレーベン〉

 ナガイレーベンの新商品「。37トロントセットデグレ」は、おもてなしの雰囲気を大切にする医療機関に薦める。涼感素材を使用し、着心地にもこだわった。

 きちんとした印象の襟付きタイプのチュニックは、デザインポイントのボタン部分が全体を引き締める。右腰のダブルポケットの内側はスマートフォンの収納も可能。落ち着いた上品な色の組み合わせのTベージュと、ネービー+ベージュを用意。価格は8700円。同色のスクラブは8200円、パンツはホワイトとベージュで価格6900円。生地は、いずれもポリエステル90%、キュプラ10%。

 新型コロナウイルス禍で昨春滞っていた買い増し、買い替え需要が昨秋以降戻ってきている。値頃感があるものよりも機能性が高い商品に集中する傾向が出ており、中でもスクラブや患者着が伸びている。

〈抗菌・抗ウイルスに注力/KAZEN WLD〉

 KAZEN WLD(カゼンダブリューエルディー)は、新型コロナウイルス禍以前から取り組んでいた抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」採用のシリーズを提案。

 クレンゼは、固定化抗菌成分「イータック」を活用し、繊維表面に強力に固定化するクラボウ独自の加工技術。家庭洗濯50回後でも繊維上の特定のウイルス数を99%以上減少させて特定の細菌の増殖を抑制できる。メンズ、レディースの診察衣、医務衣、スクラブなどで展開。

 新型コロナ禍では、カラフルスクラブシリーズが伸びている。多彩な14色展開の高機能スクラブで、ポリエステル100%でありながら優れた吸汗速乾性と綿タッチの肌触りを実現した商品。

 同社では「動体裁断」をはじめとする機能性の追求や別寸対応を軽減する幅広いサイズ展開と備蓄で差別化を図っていく。

〈ストレスフリーな仕様を/アイトス〉

 アイトスは自社ブランド「ルミエール」から、ディンプルメッシュ素材を使用したスクラブを打ち出す。

 ポロシャツやTシャツで人気の同素材を活用し、メッシュ構造と併せて、肌との接地面積が少ないディンプル構造の接触冷感性や吸汗速乾性を訴求。ニット素材のストレッチ性も含め、ストレスフリーな仕様をアピールする。

 スタンダードタイプのスクラブで、肩の開閉部分にプラスチックドットボタンを使用し、着脱のしやすさに配慮した。パンツは両サイドと右後方部に携帯電話やメモを入れやすいポケットを配し、収納性を高めている。

 カラーは上下とも6色を中心に、パンツのみラベンダーとピンクをそろえてラインアップを充実させている。

〈「現場の声」生かしたポロシャツ/ボンマックス〉

 ボンマックスは、ケアスタッフウエアブランド「ナチュラルスマイル」で介護現場に特化したケアワーカー用ユニセックスポロシャツを薦める。位置にこだわったポケットや消臭機能、吸水速乾性など「現場の声」を反映した。

 特に抗菌、強力スピード消臭はアンモニア臭に対応する「デオセル」を採用。スーパーナノテクノロジーで臭いをなくし、さらに雑菌の増殖を抑えて汗臭の元となる菌の働きを抑制する。「TB4504U」は、ネービーベースにリブ襟のカラーがデザインのポイントで、ネービー×レッド、ネービー×ブルー、ネービー×オレンジの3種。素材はポリエステル88%、再生繊維(リヨセル)9%、ポリウレタン3%。価格は5900円。

 昨年5月に社内に設置した「コロナ対策本部」は、介護医療現場で不足しているアイテムの販売に積極的に取り組む。

〈ティオティオ前面に訴求/セロリー〉

 セロリーは、多機能型触媒で抗ウイルスなどの機能を持つ「ティオティオプレミアム」加工のポロシャツを打ち出す。新型コロナウイルス禍が長期化する中、これまで以上に前面に訴求し、清潔や衛生のニーズに対応する。

 サービス向け「WSP」のうち、介護向け「アイフォリー」からティオティオプレミアムのポロシャツを投入。ボタンダウン仕様できちんと感を演出し、ボタン部分も比翼仕立てを採用することですっきりとした印象に仕上げた。

 胸元の縦型のスラッシュポケット周辺は、アクセントとしてストライプ柄が見えるように工夫した。スマートフォンが入る大容量サイズで、中身を落としにくい。

 同商品では、着丈の長さで2タイプを開発した。かがんだ時にインナーが見えないよう設計したロングタイプでは、両腰と右の後ろ腰に配したポケットで収納力もアピールする。

 両タイプとも、工業洗濯に対応している。

〈仏生まれのデザイン性を/明石SUC〉

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)のアクティブチャレンジ部はメディカルウエアで、男女兼用のスクラブを打ち出す。

 フランスで生まれた「ルコックスポルティフ」のスポーティーなデザインを前面にアピールする。ネック後ろにトリコロールのネームホルダーループを配するなど、同ブランドの特色を強調。ホワイトベースに加え、管掌や職制を考慮したカラーベースの2タイプで訴求する。

 最近の売れ筋であるハーフラグラン仕様を採用し、正面はセットインスリーブで肩の線をはっきりと見せてきちんと感を演出。背面はラグランスリーブで腕や肩の可動性を高め、現場の作業に配慮した。

 両脇スリットのほか、PHS用の内ポケットやキーループなどその他細部にもこだわって仕上げている。

〈トリコットシリーズを展開/ヤギコーポレーション〉

 ヤギコーポレーションは、メディカルウエアブランド「リゼルヴァ」から、さりげなくおしゃれな綿混のピケトリコット素材を採用したドクターコート「トリコット」シリーズを展開する。

 メンズはテーラードとステンカラーの2タイプで、ダブルポケットやステッチなどカジュアル感のあるディテールがアクセント。レディースは、ハイウエストのダブルブレストで、スタイル良く着こなせる奇麗なシルエットに仕上げた。

 生地はポリエステル85%、綿15%。色はホワイト。SEK制菌加工(レッド)、吸汗速乾性、帯電防止機能も備えた清潔で見栄えと動きやすさを両立させたシリーズ。

 新型コロナウイルス禍では、着用状態や洗濯などのメンテナンスに個人差が出ないよう、リネンサプライを介した製品の販売が伸長したと言う。商品開発では、制菌や抗菌、抗ウイルスを意識した素材選定を進めている。

〈スクラブの需要を深掘り/住商モンブラン〉

 住商モンブランは「モンブラン」から、「ハイパースクラブシリーズ」を打ち出す。新型コロナウイルス禍で病院内の洗濯回数が増える中、商品バリエーションの充実でスクラブの需要を深掘りする。

 ハイパースクラブシリーズでは、同社従来品のスクラブの3倍のストレッチ性、腕の上げ下げに特化したパターンなどをアピール。メンズとレディースをそろえ、特にレディースではホワイトやネービー、バーガンディー、ターコイズなど7色を投入してカラー展開も拡充。幅広い現場のニーズに対応する。

 新型コロナの感染防止に向けて、看護の現場では買い足し需要が増加。特にスクラブの販売が伸長しており、新商品で需要の開拓を図る。

〈スポーツウエアの動きやすさ応用/ミズノ〉

 ミズノの「ハイドロ銀チタン」シリーズのスクラブとパンツは、繊維に付着したタンパク質を分解する「DR.C医薬」独自のクリーン技術を採用。繊維上に付着した細菌などの増殖を抑制し、特定用途の制菌性を発揮する。

 スポーツウエアの技術を医療現場の動きに応用した「ダイナモーションフィット」では、特に動きの多い股ぐり、脇部分の動きをサポートする。野球ユニフォームをモチーフにしたラグラン仕様で肩回りも動かしやすい。

 この他、患者と接する時に、ポケットが邪魔にならないよう、正面ではなく脇腹部分に深く配置し、中身が落ちにくいように前方側を高くするなどの作業効率にも配慮した。スクラブ、パンツ共ポリエステル100%。色はホワイト、ネービー、ワイン。

 新型コロナウイルス禍では、より機能の高い商品の需要が高まっていると言う。