特集 メディカル・介護ウエア2021(4)/2021年の注目商品/コロナ禍で変化したニーズを捉える

2021年03月25日 (木曜日)

〈制菌加工の患者衣を投入/トンボ〉

 トンボのヘルスケア本部はベースブランドの「キラク」から、制菌加工の患者衣を投入する。繊維評価技術協議会が認証する、機能加工・素材の性能を示す「SEKマーク」で最高水準とされる「赤ラベル」を取得し、繊維上に付着した菌の増殖を抑制する機能を訴求する。

 同社は以前から患者衣で堅調な引き合いを得てきた。看護の現場では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた面会制限で私物のパジャマの着用が減っており、患者衣のリピート注文が増えてきた。そのため、制菌加工患者衣を打ち出すことで拡販を強める。

 アイテムは前開きシャツとストレートパンツ。ベージュやグレーなど落ち着いた色合いを基調にデザインしている。

〈コーディネートの幅拡大/ミドリ安全〉

 ミドリ安全は、ブランド「ベルデクセルメディカル」のVEM150上シリーズとVEM70下シリーズ(増色)を展開。

 従来から展開している柔らかいトリコット素材を使用した肌触りの良さとベルデクセル機能(新立体裁断構造)の動きやすさが特徴のプラスチュニックアイテム。右肩に虹をイメージさせるカッティングを施した男女兼用。パンツの基本カラーを5色増やしたことで、コーディネートの幅が増えた。生地はポリエステル100%。

 チュニックのカラーは、ホワイト×ローズピンク×ダークネービーなど5種。価格は7900円。パンツは基本カラーにローズピンク、ワイン、ターコイズ、ダークネービー、チャコールを増色。価格は6500円。

 新型コロナウイルス禍では、低価格のスクラブが少し伸びており、制菌加工(SEK赤)、抗ウイルス加工が注目されている印象と言う。

〈北欧デザインを取り入れ/カーシーカシマ〉

 カーシーカシマは、介護・福祉施設向けウエアブランド「ハートグリーン」で展開する「スカンジナビアパターンコレクション」を薦める。北欧の生活に根差した介護からイメージしたナチュラルで日常の生活空間になじむデザインを採用している。

 柔らかで、シワになりにくいゆったりシルエットのダンガリーシャツに北欧のデザイナーが豊かな自然や森、植物からインスピレーションを受けたモチーフプリントの腰エプロン、腰回りがゆったりしてしゃがんでもストレスのかからないテーパードパンツをそろえる。日常の生活空間になじみ、ライフスタイルを豊かにするコレクション。ダンガリーシャツ6800円、腰エプロン4400円、テーパードパンツ8千円。いずれもポリエステル100%。

 新型コロナウイルス禍では、衛生意識の高まりから光触媒の「V―CAT」加工シリーズなどが好調。

〈新型コロナ下で安心感を/シーユーピー〉

 シーユーピーは、ワンランク上の「アイナ」からノーカラーのニットジャケットを投入する。新型コロナウイルス下で介護の大切さが見直される中、安心感や信頼感を与えることができるアイテムとしてアピールする。

 ジャージーやカーディガンといった従来のスタイルから方向性を変え、フォーマルなジャケットスタイルを提案。介護スタッフのモチベーション向上、施設のイメージアップにつなげるほか、利用者にホテルでサービスを受けているかのような体験を提供する。

 作業性や収納性にも考慮し、現場の仕事をサポート。ユニセックス仕様で、グレーやネービーなどベーシックなカラー展開と併せて汎用性を追求した。

〈総合メーカーの強み生かす/サーヴォ〉

 サーヴォは、ユニフォーム総合メーカーの強みを生かして、病院内全体のコーディネートができる点を強みとする。ナースウエアと医療事務向けウエアを共通のデザインテイストでそろえる「グロウイングナース」は、オフィスウエアブランド「グロウ」のエッセンスを生かした商品をそろえる。

 襟元にスカーフを巻いているようなイメージで柄を配色したナースジャケットは、デザインの力で夜勤明けでも顔周りをパッと明るく見せられ、違うセクション間でもチーム感の向上につなげてもらいたいとの思いを込めた。生地はポリエステル100%。カラーはホワイト×ピンク。価格8800円。

 新型コロナウイルス禍では、リモートでの営業活動に大きくシフトしている。3密回避のため、非接触で採寸できるAI推定採寸サービス(採寸アプリ)の導入も前向きに検討している。