繊維ニュース

豊栄繊維/ナノ不織布でウイルス対策/分子間力マスクをCFで商品化

2021年04月06日 (火曜日)

 絹糸・生地・製品・レース製造販売の豊栄繊維(京都市)はナノファイバー不織布を活用したシルク製マスク「カッペリーニシルクマスクナノ」を開発した。ナノファイバー不織布が持つ分子間力でウイルスなどが透過するのを防ぐ。クラウドファンディングプラットフォーム「モーション・ギャラリー」を通じて商品化を目指す。

 同社が採用したナノファイバー不織布は、東京工業大学の谷岡明彦名誉教授らが開発した「ゼタナノフィルター」。ポリプロピレン製のゼタナノフィルターを同社の特殊絹紡糸「カッペリーニシルク」で編み立てたマスク「カッペリーニシルクマスク」の内部に挟み込む構造とした。

 医療用マスクで一般的に使用されているメルトブロー不織布は繊維に発生する静電気で物質を捕集して透過を防ぐが、静電気は湿潤時に低下するため、マスクとして長時間使用すると呼気に含まれる水分で不織布が湿り、静電気が弱まってフィルター性能が低下する。

 これに対してゼタナノフィルターはナノスケールの繊維が積層しているため繊維間に分子間力(分子や高分子の間に働く電磁力学的な力)が働く。この分子間力が物質を捕集し、透過を防ぐ。分子間力は湿度などに影響されないため、マスクとして長時間使用してもフィルター性能が低下しない。

 検査機関での性能試験でも細菌やウイルスを含む微粒子を99・9%以上捕集し、透過させないことを確認している。洗濯10回後も機能が低下しないことも確認した。通常、フィルター性能を高めると圧力損失も大きくなるが、ゼタナノフィルターはメルトブロー不織布などと比較しても圧力損失は小さい。このため高いフィルター性能がありながら、息苦しくないマスクを実現する。

 ゼタナノフィルターを採用することで、カッペリーニシルクマスクナノは絹紡糸による快適性と、細菌・ウイルスなどを含む飛沫(ひまつ)を防ぐ高いフィルター性を両立したマスクとなる。豊栄繊維の北丸豊社長は「飛沫防止の観点から不織布マスクしか認めない業種や店舗も増えてきた。こうした分野に不織布マスクの飛沫防止性能と布マスクの快適性・ファッション性を両立したマスクとしてカッペリーニシルクマスクナノを提案したい。洗濯して繰り返し使えるので環境にも優しい」と話す。CF応募期間は5月14日まで。価格は3980円。