帝人商事〈上海〉/20年純利益が大幅増/内販回復と特殊要因で

2021年04月09日 (金曜日)

 【上海支局】帝人フロンティアの中国法人、帝人商事〈上海〉の2020年純利益は、前年に比べ大幅に増えた。中国市場の回復で産業資材が好調だったことと、新型コロナウイルス禍が関係した特殊要因が貢献した。衣料向け生地の中国内販の売上高は、微減にとどまった。

 同社の売り上げ全体の8割以上を占める内販は、エアバッグ基布やカーシートなどの自動車向けを中心とした産業資材が好調だった。新型コロナ禍の影響で出張が減ったことや、社会保険免除など政策も増益に貢献した。

 グループ会社の南通帝人が生産する差別化商材がメインの生地と、製品は、日系大手SPAと地場スポーツブランド向けの販売が「8月ごろから回復した」(治田兼一董事長)。生地の売り上げは前年をやや下回ったが、製品は防護服の輸出が伸びたことで拡大した。

 ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を使った糸は、地場企業からの引き合いが増えている。「特にコンバーターへの糸売りが増えている」と治田董事長は指摘する。

 自動車エアバッグ基布とカーシートの内販は、日系自動車メーカーの販売好調を受け、堅調だった。