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ユニチカ/21年度から業績反転/シキボウなどとの協業推進

2021年04月15日 (木曜日)

 ユニチカは昨年4月から新しい中期経営計画に取り組む。2年目を迎えた21年度は宇治事業所での火災や新型コロナウイルス禍の影響で苦戦した事業へのテコ入れを強化し、「20年度をボトムに業績を反転させる」(上埜修司社長)との方針を掲げる。

 19年度に発生した宇治事業所での火災に伴う苦戦からの脱却を目指していた20年度、今度は新型コロナ禍に見舞われ、2年続きの業績低迷を強いられていた。

 中計2年目となる21年度は「減収に歯止めをかける」としており、海外で進める設備投資の刈り取りを急ぎ、フィルム、不織布、樹脂を中心とする取り組みに重点化し成長路線へと回帰させる。

 主力のナイロンフィルム事業では、日本もインドネシアも生産設備のフル操業が続く。旺盛な需要を取り込むため、インドネシアの拠点を年産1万6500トンから2万6500トンに増設する設備投資を進めている。

 新型コロナ禍で操業開始が当初計画より遅れているものの、量産を開始する21年夏以降、ハイバリアタイプ「エンブレムHG」やケミカルリサイクルで生産するタイプの拡販を強化し業績拡大を目指す。

 スパンボンドでは、タイ・タスコで6千トンの増設を進めている。こちらでも遅れが発生しているが、量産を急ぐとともに新しい加工技術の導入で付加価値品の生産を増やす。

 衣料繊維事業では、ユニチカトレ―ディングがシキボウとの協業、ナイロン11「キャストロン」でフランスのアルケマグループと包括的リサイクルにおける協業をスタートさせている。

 シキボウとはそれぞれがインドネシアに構える拠点での連携も強化していく方針で、協業を通じ新素材の開発、新しいビジネスモデルの創出を目指す。

 これからは「差別化素材、高付加価値素材の範囲にエコ素材が入ってくる」とみており、アルケマとの協業を通じ再生ポリエステル「エコフレンドリー」、PLA繊維「テラマック」といったエコ素材の商品ラインにキャストロンを加え、新規商権の掘り起こしに取り組む。

 機能資材事業本部が展開するガラスクロスの堅実な成長に期待を示しており、増産投資を行いながらプリント配線基板などに使われるICクロスのトップゾーン向けの販売を伸ばす。

 19年度で24~25%だった海外売上高比率が20年度は新型コロナ禍などの影響で22%前後に低下。海外で進める増設案件の早期立ち上げ、シキボウとの協業などを通じ「早急に30%台に乗せる」との方針を掲げる。