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三陽商会/紳士でスーツ復調/カジュアル偏重の反動か

2021年04月19日 (月曜日)

 三陽商会が展開する紳士服「ポール・スチュアート」などでスーツ需要が回復してきた。3月に入り、新年度に向けてビジネススーツを求める消費者やセレモニー対応で購入する人が増加。カジュアル衣料を強化していた「エポカ・ウォモ」でも、スーツライクなセットアップが売れ筋に浮上している。

 ポール・スチュアートの担当者は「スーツは計画比の20%増で推移している。昨年と違い(リアルでの)、入卒式も行われた。需要が戻ってきた印象。スーツを新調するビジネスマンも増えた」と説明する。売り場に来たフリー客が無地の高額スーツを購入するケースも増えたと言う。

 20秋冬シーズンにスーツ品番を廃止し、カジュアル衣料を強化していた「エポカ・ウォモ」でも、ビジネスで着用できる伸縮性のあるジャケット類やセットアップが好調。同ブランドの担当者は「かっちりとしたシルエットのジャケットが人気。ビジネス需要は復調傾向にある」とする。

 競合ブランドでは軒並みビジネススーツを縮小し、カジュアル衣料を大幅に拡大した。スーツを探すフリー客が三陽商会の売り場へ来店した可能性もある。「百貨店の競合ブランドはカジュアルを強化しているが、今後もスーツの受け皿を用意する」(ポール・スチュアート)、「良質素材でセットアップを拡充する」(エポカ・ウォモ)と話す。

 ポール・スチュアートでは21秋冬シーズンに向けて、アンタイドのスタイルや顧客の期待値が高いスーツ、ブレザーも継続提案する。インナーに差し込むニットウエアは、グレイッシュなトーンで多くのカラーを提案する。

 スーツ復調の流れは、14日の決算会見で大江伸治社長も期待感を示した。しかし「スーツは売れているが、消費行動の予測は難しい。4月に入り、大都市でまん延防止等重点措置が適用され、商況は予断を許さない」としている。