近藤紡績所/事業部間の連携進む/対応力向上と提案の幅を広げる
2021年04月23日 (金曜日)
紡績・衣料品製造の近藤紡績所(名古屋市中区)は営業部・素材開発部・アパレル事業部を軸に事業部間の連携が進む。多様化するニーズへの対応力向上と提案の幅を広げるのが狙いだ。
営業部の塩原規広部長は「営業部や事業部単位のビジネスには限界がある。事業部間の協業が現状を打開できる可能性を持つ」と説明する。原糸や生地、製品を決まった販路で顧客に納めるだけでは多様化するニーズを形にすることが難しいと危機感を募らせる。
事業部間の連携を進めるに当たり「糸から製品までを手掛ける総合力で多様化への対応を図る」(塩原部長)。ニーズに叶った商品形態での納入を目標に設定し、糸の特徴を生かした生地や製品での提案を進める。独自の付加価値とストーリー性を付与した提案を生かし、その成功事例を積み上げる。
今後について「大量生産とリスク力で勝負する時代は終わった。当社の持つ強みを生かすことが大事」(同)。2月に行われた「第18回ジャパン・ヤーン・フェア」では付加価値の高い糸シリーズに絞り込んだ打ち出しが功を奏した。同社が国内企業で唯一扱うことが可能な「シーアイランドコットン」や、甘撚りカード糸の「ほたか」「さらしな」などの引き合いが増えた。この糸シリーズを使った生地や製品での提案案件も増えつつあり、事業部間の連携に拍車が掛かりそうだ。