ユニチカトレーディング/環境配慮素材群のタイプ拡充/22春夏から海洋プラ対策など

2021年04月27日 (火曜日)

 ユニチカトレーディングは、地球環境配慮型の素材群「エコフレンドリー」の範囲を広げる。リサイクル技術を駆使した素材の冠ブランドと位置付けていたが、22春夏からは植物由来素材や海洋プラスチック汚染対策などを加えた4タイプとする。タイプはSDGs(持続可能な開発目標)に沿って順次増やす。

 エコフレンドリーは、マテリアル・ケミカルリサイクル技術を使った環境配慮型ポリエステル素材として提案を始めた。SDGsの考え方が浸透し、サステイナブル社会の実現に貢献する環境配慮型商品への関心が高まっていることなどから、概念を広げて総合的な展開を図る。

 22春夏物から植物由来原料をAタイプ、マテリアル・ケミカルリサイクルをBタイプ、海洋プラスチック汚染対策をCタイプ、水・CO2削減と水質汚染防止をDタイプとしてくくり直す。1種類だったエコフレンドリーのマークもタイプに合わせて新たに4種類を用意する。

 Aタイプではポリ乳酸繊維「テラマック」、非可食植物原料のナイロン11「キャストロン」、バイオポリエステルと綿の複重層糸「パルパーソロナ」をそろえる。Bタイプはブラックフォーマル用生地「セシェ」、遮熱クーリング素材「サラクール」などをラインアップしている。

 Dタイプでは「エアーホールド―NB」を展開。生地組織の工夫で繊維くずの脱落を抑制すると同時に、起毛品と同レベルの保温性を付与した断熱保温生地だ。タイプDでは蓄熱保温の「サーモトロン」などを打ち出す。同素材を無染色で裏地に使用した場合、一般的な裏地と比べて水の使用量が33%削減できる。

 カテゴリーは増やす方針で、抗ウイルスや抗菌なども候補に挙げる。SDGsに沿って取り組んでいくとし、「教育の観点から試験反を被服科の学生に無償提供する」ことなども検討中。エコフレンドリー素材の販売比率は全体の10%だが、「置き換えを急ぎ、比率を高める」とした。