ユニチカ/繊維の回復は今期後半から/ユニテックスは黒字化へ

2021年05月17日 (月曜日)

 ユニチカの繊維事業は今期(2022年3月期)、売上高325億円(前年比17・3%減)、営業損失2億円(前年は3億円の損失)と減収で赤字が残る見通し。前期は医療用ガウンや感染防護服用途が大きく伸びたが、主力のユニフォーム、レディース、スポーツなどが苦戦。今期も前半は新型コロナウイルス禍の影響が残り、後半からの回復を見込む。

 繊維事業の柱となるユニチカトレーディング(UTC)は、売上高261億円(26・5%減)、営業利益5千万円(90・0%減)、経常利益3千万円(94・0%減)、純利益2千万円(93・3%減)と減収減益の見通し。医療用ガウンや感染防護服の需要が落ち着くためで、新規顧客・用途の開拓や新規事業の立ち上げを図るとともに、アライアンス強化による収益向上に取り組む。先に発表したシキボウとの協業効果はまだ業績予想に織り込んでいないが、「シキボウとの協業は既に動き出しており、その効果を発揮していく。消費者ニーズに応えるため、新しいアライアンスも検討していく」とする。

 インドネシア子会社のユニテックスは構造改革を完了し、複重層紡績糸「パルパー」を軸に黒字転換させる。既に今年1~3月から黒字化している。前期に営業赤字となり減損損失26億円を計上した大阪染工は、受注面でユニチカとUTCが支援して回復させる。

〈前期は大幅増益に〉

 ユニチカの21年3月期連結は、売上高1103億円(前年比7・7%減)、純利益38億6400万円(前期は21億円の損失)と減収大幅増益だった。新型コロナ禍で販売量を落としたが、原材料価格の低下や経費削減、利益率が高い医療用ガウンや感染防護服関連の拡大などで営業利益が拡大。大阪染工と産業繊維事業で34億円の減損損失を計上したが、純利益は黒字化した。

 UTCは売上高355億円(前年比2・0%減)、営業利益5億円(前年の5倍)と減収増益だった。

 22年3月期は売上高1110億円(0・6%増)、営業利益61億円(1・4%増)、経常利益47億円(12・7%減)、純利益40億円(3・5%増)と増収増益を予想する。