菅公学生服/「スマート採寸」など拡充/安心感と利便性高める

2021年05月27日 (木曜日)

 菅公学生服は来入学商戦、営業や商品開発の強化に加え、人工知能(AI)を活用した「スマート採寸」、教育ソリューション事業などを拡充する。スマート採寸で顧客の「安心感と利便性を高める」(問田真司常務)などして学校との関係を強化し、新規開拓を目指す。

 今入学商戦はエリアごとに営業を強化したほか、性的少数者(LGBTQ)の人たちに配慮した制服のブレザー化に対応し、前年並みのMC(モデルチェンジ)校を獲得。店頭では新型コロナウイルスの影響を受けたが、昨春のような全国的な休校はなく、夏物の販売への影響は軽微だった。

 スマート採寸は124校に採用され、2万人の採寸データを取得。スマートフォンの撮影で家庭での採寸を可能とし、学校の負担軽減につなげた。長年の採寸データの活用でお薦めサイズを提案するレコメンド機能含め、高い評価を得た。

 スポーツは自社ブランド「カンコープレミアム」の認知度が向上し、順調に採用が増えた。感染防止対策で制服よりも洗いやすい体操服での通学が許可される中、買い替え需要の増加も販売に貢献した。

 教育ソリューション事業は、キャリア教育、人材育成、学校魅力化、働き方改革と四つの柱で訴求し、引き合いを得ている。生徒の非認知能力(数値化が難しいコミュニケーション力や共感性など)の向上に向けた活動に加え、教員の人材育成など学校のサポートを強化している。

 スクールとスポーツで堅調に採用を獲得した結果、2021年7月期売上高は、計画する371億円の達成を見込んでいる。

 来春は営業力や商品力の強化と併せて、スマート採寸の提案を強化。「採寸とレコメンド機能の精度をさらに向上させる」などして全面的な採用を目指す。蓄積した採寸データは、商品開発にも生かす考えだ。

 教育ソリューション事業も「学校を中心に社会全体で生徒の学びを支える」(曽山紀浩取締役兼カンコーマナボネクト社長)事業へと深化させ、学校との接点を構築し新規受注の獲得を図る。