トンボ/4月までの制服販売は3%増/LGBTQへの対応などで

2021年05月28日 (金曜日)

 トンボの2020年7月~21年4月のスクール販売は、前年同期比3%増となった。性的少数者(LGBTQ)の人たちへの配慮で進む制服のブレザー化などに対応し、今春は制服モデルチェンジ(MC)校を120校超獲得。「ジェンダーレス制服はトンボというイメージを定着させる」(恵谷栄一取締役営業統括本部副本部長)考えで、同商品分野の構成などを強化する。

 恵谷取締役によると、今春、LGBTQの人たちへの配慮で中学校を中心に制服のブレザー化が進展。スラックスとスカートの選択制が増えたほか、男女兼用のジャケットやネクタイなど「スタイルによるデザインの差がつかない制服が主流」になりつつあると言う。

 商品企画も販売に貢献し、ライセンスブランド「イーストボーイ」や、ファッションデザイナー・松倉久美氏とのコラボレーション企画で私学の大型校を中心に採用を獲得した。

 その他、織物調ながらニットの素材「ミラクルニット」は、優れたストレッチ性や軽量性が評価され、累計採用校数が100校近くに達した。

 店頭商品の販売も堅調に進んでいる。詰め襟学生服は20年7月~21年4月の販売が微増、セーラー服は2%増だった。新型コロナウイルス禍で清潔や衛生に関するニーズが高まり、抗ウイルス関連や洗濯耐久性に優れた商品も増販した。

 人工知能(AI)を活用した採寸サービス「ハカルンジャー」、独自のECサイト「トンボスクールモール」で採寸から販売まで一貫した提案も奏功し、多くの引き合いを得た。

 来入学商戦に向けては、ジェンダーレス制服やウイルス対策商品の強化などに取り組み、ニットを含む新機能素材を拡充。採寸とECサイトの訴求も強め、小売店と拡販できる仕組み作りを進める。