東洋紡STC 22秋冬スポーツ/「スクラムテック」打ち出す/下半期から反転

2021年06月02日 (水曜日)

 東洋紡STCは22秋冬向けのスポーツ素材で、高密度ニット「スクラムテック」や高機能ニットシャツ地「Zシャツ」の拡販を計画するとともに、環境配慮型素材による企画提案に力を入れる。下半期以降の市況好転に期待感を示しており、スポーツでも販売量の反転を目指す。

 2020年度は高機能ニットシャツ・「Zシャツが引き続き堅調を維持したものの、新型コロナウイルス禍による影響が特に下半期に大きく発生したため苦戦を強いられた。

 21年度については、前半商戦にコロナ禍の影響が残るとみているものの、後半商戦から市況回復を見通しており、「下半期で挽回させる策を講じる」(川端圭二スポーツ事業部長兼ゴルフスポーツグループマネジャー)。

 しっかりとしたパートナーシップを組める顧客との連携を改めて強化し、自社の強みに位置付ける「ニットの開発に重点化する」との方針を掲げる。

 中でも、戦略素材に位置付ける「スクラムテック」を前面に打ち出し拡販を計画する。スクラムテックはポリエステルとPBT繊維などの高弾性糸を交編し高密度に編み込んだ軽量・ストレッチニット(丸編み)。

 ハリ・コシにも優れているため製品映えするのも特徴。「圧倒的な軽さをPR」し、スポーツだけでなく巣ごもり需要を含むシャツ、ジャケットのゾーンも掘り起こす。

 この数シーズン、販促を強化してきた環境配慮型素材による企画提案も重視する。ペット再生ポリエステル「エコールクラブ」、部分バイオポリエステル「同バイオ」、生分解「ダース」やオーガニックコットンによるラインアップを充実させている。

 巣ごもり需要の増大を背景に高機能ニットシャツ地・Z―シャツ、「E―シャツ」の販売好調が続いている。21年度、シャツグループがユニフォーム事業部から移管されており、スポーツ素材の開発のノウハウを注入し商品ラインの拡幅に取り組む。