東レ「リブモア」高通気タイプ/熱ストレスの軽減を確認/信州大と共同で

2021年06月02日 (水曜日)

 東レは使い切りの防護服「リブモア」の高通気タイプで、熱ストレスの軽減を確認した。信州大学繊維学部・佐古井智紀準教授の監修のもと、生地で蒸発熱抵抗試験を行ったところ、熱中症対策の指標として使われる暑さ指数が一般衣料と同等の補正値=0度に相当した。さらに汎用的な防護服と比べると作業時に熱ストレスを軽減する効果に優れている。

 防護服は周囲の環境と体を遮断するために着用されるため、体が作った熱を周囲の環境に逃がしにくく熱ストレスが高まりやすい。熱中症リスクの高い高温環境下では、周囲との温度差により体からの放熱がしにくくなるため、汗の蒸発が体からの主な放熱手段となる。

 今回、生地の蒸発熱抵抗の試験を行った結果、リブモア高通気タイプのWGBT(湿球黒球温度~熱中症対策における指標として使われる)補正値が0度に相当することを確認した。

 このことは作業服など一般の衣服と比較し、防護服着用によって熱ストレスに差が生じないことを示す。熱中症対で労働環境改善に貢献できると同社は考えている。

 さらに、衣服内に気流が生じる状態(作業で動いているといった静止していない状態)では、同等の粉塵(じん)防護性を持つ商品と比較した場合、通気性が高いリブモア高通気タイプの方が熱ストレスを軽減する効果が高いことを確認した。