東レの学生服地/機能への要望に応える/合繊のシェア拡大目指す

2021年06月03日 (木曜日)

 東レは学生服地で合繊100%品や合繊高混率品の提案を一段と強める。ここに来て価格面ではなく機能性の面から合繊を求める声が学生服分野でも強まっていることから、こうした要望に応えることで、学生服用途での合繊100%品や合繊高混率品のシェア拡大を目指す。

 同社の2020年度(21年3月期)の学生服地販売は価格改定によって販売単価が上昇したことで売上高が前年を上回った。ただ、それ以上に注目しているのは販売数量が増加していること。学生服地はウール・ポリエステル混が主流だが、近年は合繊高混率品の引き合い増加が続いており、その流れが継続している。

 合繊素材への要求も変わりつつあるという。従来は価格を抑えるために合繊の混率を引き上げることが多かった。最近では機能面の要求を満たすために合繊高混率品や合繊100%品が選ばれるケースが増えている。特にストレッチ性、イージーケア性、軽量性の面で合繊素材は優位性を発揮しやすい。

 このため今期も引き続き学生服地用途で合繊素材のシェア拡大を目指す。合繊100%梳毛調織物「マニフィーレ」やストレッチ生地「ライトフィックス」の提案で機能面での要望に応える。サステイナビリティーへの要望に関しても再生ポリエステルの活用を進める。ニーズが高まっている抗ウイルス性に関しても抗ウイルス加工生地「マックスペックV」を提案する。