齋栄織物/織機100台がフル稼働/インテリア分野開拓などで
2021年06月07日 (月曜日)
シルク織物製造の齋栄織物(福島県川俣町)が保有するレピア織機、シャトル織機計100台がフル稼働を続けている。資材用途の米国向けが「大忙し」(齋藤栄太常務)な上、国内のファッション衣料向けも少しずつ回復基調に乗っている。インテリア用途が新規販路として開拓できたことも大きい。
同社はフィルターなどの工業資材向けとファッション衣料向けを主要販路とする。工業資材用途の米国向けを昨年から安定的に受注していたが、今年はさらに受注が拡大し「織機が足りない」ほどという。
世界一薄いシルク織物「天使の羽(フェアリーフェザー)」などを展開する国内ファッション衣料向けは新型コロナウイルス禍で落ち込んだが、「今年は昨年よりは回復している」。ただ、イタリアの生地見本市「ミラノ・ウニカ」への継続出展などで開拓してきた欧米市場向けは昨年から低迷したままだ。
国内、海外のファッション衣料向けが低迷する中、昨年から寝装やインテリア向けを第三の柱に育てる方針を掲げていたが、ここに来て実った。シルク100%でカーテンや壁紙の防火・防炎基準をクリアすることが課題だったが、これをクリアし、あるホテルの装飾用カーテンに採用された。
齋藤常務によると、カーテン用途はホテルの内装担当者が直接同社を訪れたことがきっかけだった。防火・防災加工も当該ホテルから紹介された中間業者が請け負ってくれたという。
このインテリア分野での実績を聞きつけた別のホテル関連業者からも連絡が入り、アポイントが決まった。「今後もインテリア分野を積極的に開拓していきたい」と意気込む。




