帝人「テナックス」/エアバスが使う航空機エンジン用ナセルに採用

2021年06月08日 (火曜日)

 帝人が展開する炭素繊維「テナックス」による中間材料がこのほど日機装(東京都渋谷区)が開発する航空機向けの次世代エンジン用ナセル(エンジン、燃料や搭載機器を保持するための筐体〈きょうたい〉)の部材として採用された。

 この部材はエアバスが進める“プロパルジョン ・オブ・トゥモロー”プロジェクトでの採用が決まっており、2021年末までに試作品がエアバスに納入される予定。

 この炭素繊維中間材料は帝人が独自に開発した航空機用の高性能速硬化エポキシ樹脂によるプリプレグで、一般的な航空機向けよりも低温、短時間で成形できる。

 航空機用途で幅広く使用されているオートクレープ成形だけでなく、大量生産に適したプレス成形にも対応が可能で、プレス成形した場合でもオートクレープ成形と同等の品質が得られるという。

 さらに、オートメイティッドファイバープレイスメント(3次元曲線など複雑な形状でも成形することができる技術)に対応していることが特徴で、速硬化エポキシ樹脂による短時間成形とオートメイティッドファイバープレイスメントによる自動積層技術を組み合わせることで生産効率を最大限に高めることが可能という。