時代夢商貿〈深セン〉の山田智彦総経理に聞く/成都は内陸の最有力市場/転換期にある中国市場

2021年06月28日 (月曜日)

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)が23、24日の2日間、四川省成都で個展を開いた。これを機に成都を中心とした内陸都市での新規顧客の開拓を加速する。深セン法人の時代夢商貿〈深セン〉の山田智彦総経理に、個展の成果や転換期にある中国市場の現状を聞いた。(成都=岩下祐一)

  ――成都で個展を初開催しました。

 成都には近年、新興のネット通販ブランドやデザイナーブランドが登場し、当社の顧客も増えています。内陸都市の中で最も可能性を感じており、個展を開きました。

  ――成果は。

 地場ブランド約30社が来場しました。高付加価値生地のサプライヤーが成都には少ないようで、良い生地に飢えている印象でした。当社の生地は高い評価を得ました。

 ただし1㍍当たり20~30元の安価な生地を使うところが多く、そうしたブランドにどう高付加価値生地をたくさん使ってもらうのかが課題です。

  ――貴社は深セン、成都に加え、広州、重慶、長沙、武漢、鄭州、西安を担当しています。商況は。

 スタッフの頑張りで販売は順調です。

 中国市場は転換期です。新型コロナウイルス禍で変化のスピードが速まりました。老舗の百貨店ブランドは弱体化しています。トレンド変化が速まり、こうしたブランドのビジネスモデルが時代遅れになっているからです。半面、ネット通販ブランドなどが力を付けています。

  ――貴社の顧客は。

 勢いがあるのがネット通販ブランドです。短納期ニーズが高く、当社の備蓄品がフィットしています。ネット系の顧客は1年前、日本で備蓄する生地を2週間待ってくれましたが、今は1週間も待てません。そのため、日本で企画する中国製生地「COE(コエ)」を充実させるとともに、上海で備蓄する日本製生地を増やしています。

  ――まだ売り上げを伸ばせそうですか。

 既存市場はかなり深耕が進み、従来の倍々ゲームは難しくなっています。成都での新規開拓など、新しいことに挑み、成長を図っていきます。