繊維ニュース

特集 オフィス&サービスウエア21秋冬(6)/さらに強まるSDGsの潮流/素材メーカー編

2021年07月02日 (金曜日)

 オフィス・サービスウエア分野において、川上の動きが商品企画に及ぼす影響は大きい。新型コロナウイルス禍でニーズが高まる抗ウイルス加工は今シーズンから一気に採用が広まった。アフターコロナに向けた新素材開発とともに、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み姿勢もますます注視される。

〈オフィス・サービスをニットで攻める/東レ〉

 東レは2020年度、新型コロナウイルス禍の影響で病院白衣、オフィス、サービスのいずれもで苦戦を強いられ、特にサービスがもっとも低調だったという。

 21年度は、白衣向けの素材が繁忙期を迎える3~5月、新型コロナ禍の影響もなく「順調に出荷できた」としており秋以降、オフィス・サービス市場も含む回復を見通している。

 昨年10月から11月にかけてオンラインで展示会を開催し、2021年度のプロモート素材群をPR。今年の秋はリアル展も含めて再度の開催を検討している。

 オンライン展では、サービス業や接客業から引き合いを集める防汚加工「テクノクリーン」、防汚・抗菌加工「同DE」、抗ウイルス加工「マックスペックV」といった安全、衛生にかかわる素材群を打ち出したほか、オフィス向けの梳毛調「マニフィーレ」、ストレッチ「ライトフィックス」などをラインアップした。

 オフィスやサービスで「ウエアのニット化が進んでいる」と見ており、織物で販売してきたライトフィックスの丸編み、吸汗速乾「フィールドセンサー」などでニットの商品ライン構築を急ぐ。

〈「Zシャツ」でサービス開拓/東洋紡STC〉

 東洋紡STCは2020年度、新型コロナウイルス禍で苦戦を強いられ、約30%の減収となったと言う。21年度は当初、市況は緩やかに回復すると見ていたが、「メンズワーキングの状況が今年も良くない」との懸念を強めている。

 ドレスシャツ用の高機能ニット「Zシャツ」「Eシャツ」は引き続き好調を維持しており、21年度は両素材によるオフィス・サービス分野の掘り起こしを改めて強化したい考えだ。

 同社は抗ウイルス加工「ナノバリアー」、抗ウイルス性能が特徴のアクリレート繊維「ヴァイアブロック」を販売しており、今年も旺盛な引き合いを集めている。

 両素材による商品開発、販売促進に力を入れており、食品白衣やメディカル用途に打ち出し今年も増販を計画する。

 ニット化の流れに対し、Zシャツ、Eャツ、「スクラムテック」「アクセンシャルゼブラ」をラインアップし、オフィス・サービス分野を開拓する。

 「エコールクラブバイオ」といったエコ素材による企画提案も重視しており、21年度は20年度並の業績確保を目指す。

〈環境配慮生地を拡充/ニッケ〉

 ニッケのビジネスユニフォーム部門は今期(2021年11月期)、官公庁向けがややプラスで推移しているものの、一般民間向けは新型コロナウイルス禍の影響で交通系を中心に昨年より厳しくなるとの見通しを示す。

 本格的な回復期にはしばらくかかるとし、当面は素材のラインアップを拡充して新型コロナ禍収束後の提案準備に備える。主力商品はウールの特性を生かした軽量で防シワ性に優れた高機能素材「ミライト」。さらに環境配慮型生地に注力。バイオPETと再生PETを複合したハイブリッドエコ素材「プラビナ」、植物由来ポリエステルを複合した「アクティブウール ビオ」、ケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」を複合したサステイナブル素材「ニッケエクストラファイン ウィズ レニュー」を展開。

 新たに採用した紡績手法で生産する「ブリーザ」は、製造工程でのエネルギー使用量をCO2排出量換算で約55%減少させ、着用中や洗濯中のマイクロプラスチックの放出も約75%削減する。SDGs(持続可能な開発目標)は今後ますます求められるとして、着用済みユニフォームのリサイクルシステム「エコシップ」の活用など、社会的課題の取り組みを加速する。

〈シキボウとの協業開始/ユニチカトレーディング〉

 ユニチカトレーディングは2021年度の市況を「引き続き厳しい状況が続く」とみており、新型コロナウイルス対応企画で新しい提案が必要との認識を示す。

 21年度はアフターコロナを見据えた開発・販促に重点化する方針で“働き方・社会”“地球環境”“安全・安心”をコンセプトに掲げる。

 テレワークの浸透を踏まえ、男性向けには新タイプのストレッチ織物「テトラフレックス」を、女性向けには仕立て映えやイージーケア性を持たせたトリコット「フィッターCR」を開発。22春夏から投入する。

 新規ゾーンとして巣ごもり需要の拡大に伴い増大するランチやディナーの宅配にも注目。宅配スタッフ向けにシキボウの清潔加工を施したノンコート透湿防水織物「タフレックス」を投入する。

 先にシキボウと繊維事業で協業していくことを表明した。ユニフォーム分野では臭い対策への要望に対応し、シキボウの抗ウイルス加工「フルテクト」を複合したEFウエア用高密度織物を開発。複重層糸「パルパー」にはシキボウの液アン加工で防縮・防シワ性能、ソフトな風合い、光沢感を持たせた。

〈LU協/受発注のデジタル化推進を協議〉

 レディースユニフォーム協議会(外川雄一会長)は、先月開催したオーナー会議で共通受発注データフォームの普及など、デジタル化推進に向けた具体的な取り組みについて協議した。

 オーナー会議は、会員企業の決定権者が参加して3カ月に1回開催。今回は、事務処理の省力化や迅速化、データの確実性といったメリットを持つ共通受発注データフォームの活用推進を図るための協議を進めた。

 ワークウエアメーカーにEDI(電子データ交換)取り引きサービスを提供するワークショップネット(東京都中央区)が参加し、電子受発注システムの相互乗り入れについての意見交換も実施。業界を跨ぐ共通システムを築くことで、代理店の運用負担軽減や取り引き選択肢の可能性を高め、ユニフォーム業界全体としてデジタル化を推し進めていく方針を固めた。