東レ 難燃「ナフレム」/ブランド展開を開始/6品番を構え顧客対応徹底

2021年07月13日 (火曜日)

 東レはユニフォーム向けに開発した難燃素材「ナフレム」の販促に力を入れている。企業別注ユニフォームへのアプローチとともに、最近は新型コロナウイルス禍に伴うキャンプブームで一般のアパレル、スポーツアパレルからの引き合いが増えているため、「プロフェッショナルな素材を多くの方に使っていただき拡販を目指す」(機能製品事業部・工藤良祐特需課長)との方針を掲げる。

 同社はこれまで難燃アクリルやメタ系アラミド繊維で開発したユニフォーム向けの難燃素材を消防用途を中心に展開してきた。しかし、大ロットでしか受注することができなかったため、ユーザーニーズに充分に応えることができていなかった。

 このため、メタ系アラミド「ノーメックス」・パラ系アラミド「ケブラー」・難燃ポリエステル短繊維による綾織り、平織りの2品番、難燃アクリルの先染め(トップ染め)による春夏物と秋冬物、後染めによる春夏物と秋冬物の4品番のトータル6品番を一定量、在庫で構える販売スタイルを導入。

 「小・中ロットにスピード対応できる体制」を整えるとともに、新たにナフレムブランドで打ち出す販促に昨年来、乗り出していた。

 これまでの難燃作業服は難燃性能を持ってはいるものの固くて動きにくい素材で商品化されたものが多かった。ナフレムにはいずれにも独自技術により難燃素材でカバリングしたスパンデックスがもたらすストレッチ性によって「過去の難燃作業服にはなかったソフトで動きやすい特性を持たせることができた」。

 昨秋に開いたウェブ展にナフレムを初めて出展したところ、ユニフォーム関連のアパレルだけでなく、最近のキャンプブームもあって婦人や紳士、スポーツ、アウトドア関連のアパレルやSPAからも引き合いが相次いだという。

 今後はユニフォーム以外の顧客に対するフォローにも力を入れるとともに、資材などへも用途を広げるための開発、企画提案にも取り組む。